加齢性前庭障害 (Presbyvestibulopathy) の診断基準 (Barany Society: J Vestib Res 29: 161-170, 2019)

「はじめに」加齢性前庭障害は, 2019年にBarany SocietyがPresbyvestibulopathy(PVP)としてその診断基準を策定した疾患の日本語名である. 本診断基準は, Journal of Vestibular Research誌に掲載されたBarany Societyの診断基準の和訳である. PVPは, 高齢者において不安定感, 歩行障害, 度々の転倒などの慢性の前庭症状を呈し, 臨床検査で軽度の両側前庭機能障害を示す症候群と定義される. 診断基準は主に問診項目と検査項目から成り, ビデオヘッドインパルス検査, 回転椅子による回転検査, もしくは温度刺激検査において,...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2021/06/30, Vol.80(3), pp.258-260
Hauptverfasser: 診断基準化委員会, 担当理事, : 城倉 健, 堀井, 新, 委員長, : 今井 貴夫, 副委員長, : 橋本 誠, 委員, : 武井 泰彦, 渡辺, 行雄, 重野, 浩一郎, 高橋, 幸治, 中村, 正, 浅井, 正嗣, 山本, 昌彦, 池田, 卓生, 佐藤, 豪
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」加齢性前庭障害は, 2019年にBarany SocietyがPresbyvestibulopathy(PVP)としてその診断基準を策定した疾患の日本語名である. 本診断基準は, Journal of Vestibular Research誌に掲載されたBarany Societyの診断基準の和訳である. PVPは, 高齢者において不安定感, 歩行障害, 度々の転倒などの慢性の前庭症状を呈し, 臨床検査で軽度の両側前庭機能障害を示す症候群と定義される. 診断基準は主に問診項目と検査項目から成り, ビデオヘッドインパルス検査, 回転椅子による回転検査, もしくは温度刺激検査において, 両側の前庭動眼反射(Vestibulo-ocular reflex, VOR)の軽度機能低下の確認が必要である. PVPは通常, 視覚障害, 深部知覚障害, 大脳皮質, 小脳や錐体外路系の加齢による機能障害を伴い, これらも不安定感, 歩行障害, 転倒の発症に関与している.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.80.258