口腔咽喉音分析による嚥下回数の長時間モニタリングと応用

高齢者の嚥下機能の評価法を確立し,口腔機能の維持および改善策を見出すために,頸部に装着したマイクロフォン(本 稿では咽喉マイクロフォンという)を用いた嚥下回数の長時間モニタリングについて述べる.まず,口腔咽喉音の処理と嚥下 音の特徴抽出について述べ,口腔咽喉音の長時間モニタリングの結果より,嚥下時間間隔が食事,安静,睡眠時で異なること を示す.この嚥下回数検出システムを用いて健常者群と要介護度高齢者の嚥下時間間隔を計測した結果,要介護度の高い被験 者ほど嚥下時間間隔が延長するということを示す.さらに,新たな口腔機能改善プログラムの取り組みのひとつとして,能動 的な笑いが嚥下機能にどのように効果...

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Veröffentlicht in:Baiomekanizumu Gakkai shi 2016, Vol.40(4), pp.255-260
Hauptverfasser: 松村, 雅史, 辻村, 肇
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢者の嚥下機能の評価法を確立し,口腔機能の維持および改善策を見出すために,頸部に装着したマイクロフォン(本 稿では咽喉マイクロフォンという)を用いた嚥下回数の長時間モニタリングについて述べる.まず,口腔咽喉音の処理と嚥下 音の特徴抽出について述べ,口腔咽喉音の長時間モニタリングの結果より,嚥下時間間隔が食事,安静,睡眠時で異なること を示す.この嚥下回数検出システムを用いて健常者群と要介護度高齢者の嚥下時間間隔を計測した結果,要介護度の高い被験 者ほど嚥下時間間隔が延長するということを示す.さらに,新たな口腔機能改善プログラムの取り組みのひとつとして,能動 的な笑いが嚥下機能にどのように効果があるかを調べた研究を紹介する.この研究では,能動的な笑いの介入前・後の嚥下時 間間隔を比較し,介入後では,平均嚥下時間間隔が短くなり嚥下回数が増加する傾向が認められ,笑うことが嚥下機能を向上 させることが示唆された.本稿で紹介する嚥下回数計測システムは簡便な方法で長時間モニタリングが可能であり,これらの 研究をさらに発展させ,笑いの効果を介護現場に広めることで,高齢者の健康づくりに貢献したい.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.40.4_255