金属イオンとのオンカラム錯形成反応を利用する親水性化合物のHPLC−紫外吸収検出法の開発
水溶性が高く吸光係数の低い化合物を,簡便かつ高感度にHPLC−紫外吸収検出法で分析可能とすることを目的に,移動相に添加した金属イオンとの錯形成反応を活用する分離・検出法の開発を行った.紫外/可視領域に吸収を持たない高親水性化合物に金属イオンを配位させると,その金属錯体は立体的・電荷的に元の化合物とは異なる性質を持つようになる.この錯体を利用することにより,通常の疎水性相互作用に基づく逆相分配モードや静電相互作用に基づくイオン交換モードに,配位能を加味した新規な分離モードを発現させることが可能である.また,錯体形成に伴い,紫外部における吸光度も増大するため紫外吸収検出が可能となる.本稿では,これ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Bunseki kagaku 2019/08/05, Vol.68(8), pp.581-599 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 水溶性が高く吸光係数の低い化合物を,簡便かつ高感度にHPLC−紫外吸収検出法で分析可能とすることを目的に,移動相に添加した金属イオンとの錯形成反応を活用する分離・検出法の開発を行った.紫外/可視領域に吸収を持たない高親水性化合物に金属イオンを配位させると,その金属錯体は立体的・電荷的に元の化合物とは異なる性質を持つようになる.この錯体を利用することにより,通常の疎水性相互作用に基づく逆相分配モードや静電相互作用に基づくイオン交換モードに,配位能を加味した新規な分離モードを発現させることが可能である.また,錯体形成に伴い,紫外部における吸光度も増大するため紫外吸収検出が可能となる.本稿では,これらのオンカラム錯形成反応を利用した親水性化合物の分離分析法について総括するとともに,環境水・生活用品・食品中の水溶性キレート剤,カルボン酸,アルコール及び糖アルコールなどの高親水性化合物への分析例について紹介する. |
---|---|
ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.68.581 |