ナノポアを用いるエンドトキシンセンサ

Coulter-counterの原理に基づくエンドトキシンの連続モニタリング法を検討した.先端に260 nmのナノポアを有するガラスナノピペットの内部に,エンドトキシンを含むリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline, PBS)を入れ,エンドトキシンフリーPBSのバルク溶液に先端を浸した.ピペット中に挿入した銀/塩化銀線に,バルクに挿入した銀/塩化銀線に対して1 V印加して電流変化を観察した結果,エンドトキシン濃度の上昇とともにパルス状の電流変化の現れる頻度が上昇した.このパルス電流は,エンドトキシンミセルがナノピペットから吐出されるときにイオンの流れを阻害するた...

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Veröffentlicht in:Bunseki kagaku 2019/08/05, Vol.68(8), pp.575-580
Hauptverfasser: 伊藤, 健太郎, 井上(安田), 久美, 伊藤−佐々木, 隆弘, 末永, 智一, 珠玖, 仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Coulter-counterの原理に基づくエンドトキシンの連続モニタリング法を検討した.先端に260 nmのナノポアを有するガラスナノピペットの内部に,エンドトキシンを含むリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline, PBS)を入れ,エンドトキシンフリーPBSのバルク溶液に先端を浸した.ピペット中に挿入した銀/塩化銀線に,バルクに挿入した銀/塩化銀線に対して1 V印加して電流変化を観察した結果,エンドトキシン濃度の上昇とともにパルス状の電流変化の現れる頻度が上昇した.このパルス電流は,エンドトキシンミセルがナノピペットから吐出されるときにイオンの流れを阻害するために現れ,エンドトキシン濃度の上昇とともにパルスとして現れるサイズの大きいミセルの個数が増えることが示唆された.現状での検出限界は500エンドトキシン活性単位(Endotoxin Unit, EU)L−1程度だが,ポア径の最適化を行うことで小さなミセルを検出できるようになれば,高感度化が可能であると考えられる.本手法はこれまでに実現されていない透析や製薬工場のラインへの組込みができるエンドトキシン検出法としての応用が期待される.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.68.575