南西北海道,石狩低地帯におけるテフラ層序学: 支笏-洞爺火山地域の噴火履歴

石狩低地帯の西方には支笏-洞爺火山地域が位置し,後期更新世から大規模な爆発的噴火が続いている.これらの噴出物は石狩低地帯に多数のテフラ層として堆積しており,古くからテフラ層序学・年代学に関する多くの研究が行われてきた.それらの結果,支笏-洞爺火山地域では約13万年前頃から洞爺火山で活動が開始し,その後にクッタラ火山,そして支笏火山と活動が波及し,カルデラ形成噴火が続発したこと,さらにそれらのカルデラ火山の活動に並行して,背弧側では羊蹄山や尻別岳の活動があったことが明らかになっている.今回の巡検では代表的な露頭を巡り,北海道の更新世および完新世の主要な指標テフラとテフラ層序を紹介するだけではなく...

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Veröffentlicht in:Chishitsugaku zasshi 2018/07/15, Vol.124(7), pp.473-489
Hauptverfasser: 中川, 光弘, 宮坂, 瑞穂, 三浦, 大助, 上澤, 真平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:石狩低地帯の西方には支笏-洞爺火山地域が位置し,後期更新世から大規模な爆発的噴火が続いている.これらの噴出物は石狩低地帯に多数のテフラ層として堆積しており,古くからテフラ層序学・年代学に関する多くの研究が行われてきた.それらの結果,支笏-洞爺火山地域では約13万年前頃から洞爺火山で活動が開始し,その後にクッタラ火山,そして支笏火山と活動が波及し,カルデラ形成噴火が続発したこと,さらにそれらのカルデラ火山の活動に並行して,背弧側では羊蹄山や尻別岳の活動があったことが明らかになっている.今回の巡検では代表的な露頭を巡り,北海道の更新世および完新世の主要な指標テフラとテフラ層序を紹介するだけではなく,最近の研究成果による詳細な噴火履歴および代表的噴火の噴火様式についても議論する.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.2018.0038