アイスハーバー型魚道の現地観測と数値解析によるプール内流況特性の検討

本研究では切り欠きと潜孔の双方が存在するアイスハーバー型魚道について,そのプール内の流況とそれに及ぼす潜孔の役割に着目して現地観測と数値解析により検討したものである.まず,美利河ダム(北海道今金町)にあるアイスハーバー型魚道においてプール内の詳細な三次元流況測定を行った.次に,魚道や津波のような自由水面の大変形を精度良く再現可能であるとされている密度関数法を用いて,美利河ダムの魚道と同じスケールにおける流れの再現計算を行い,再現性の確認を行うとともに,流れ場の特徴を議論した.プール内の流況はプール上流側の乱れた領域と,下流側の比較的安定した鉛直面内の循環流の2つの領域に分割されることが示され,...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. B1, Suikogaku = Journal of Japan Society of Civil Engineers. Ser. B1, Hydraulic Engineering 2018, Vol.74(4), pp.I_733-I_738
Hauptverfasser: 西岡, 雄太, 木村, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では切り欠きと潜孔の双方が存在するアイスハーバー型魚道について,そのプール内の流況とそれに及ぼす潜孔の役割に着目して現地観測と数値解析により検討したものである.まず,美利河ダム(北海道今金町)にあるアイスハーバー型魚道においてプール内の詳細な三次元流況測定を行った.次に,魚道や津波のような自由水面の大変形を精度良く再現可能であるとされている密度関数法を用いて,美利河ダムの魚道と同じスケールにおける流れの再現計算を行い,再現性の確認を行うとともに,流れ場の特徴を議論した.プール内の流況はプール上流側の乱れた領域と,下流側の比較的安定した鉛直面内の循環流の2つの領域に分割されることが示され,数値解析結果もこの特性をほぼ再現した.また,数値実験を通じて潜孔の存在は魚の通り道としてのみならずプール内の流況安定化に寄与すること,潜孔スケールが流況安定性に重要であることを指摘した.
ISSN:2185-467X
DOI:10.2208/jscejhe.74.I_733