イオン分析のためのインライン試料前処理法の確立
イオンクロマトグラフィー(IC)は,環境水,飲料水,工業用水,工場排水等の中の無機イオンの試験方法として普及しているが,試料中の高濃度夾(きょう)雑成分の妨害により定量精度の確保が困難になることが多い.そのため前処理による夾雑成分の除去や低減が不可欠であるが,測定対象である無機イオンは測定環境中にも存在し,器具等からの溶出もあるため,煩雑な前処理手法を用いる場合には操作中に汚染が引き起こされるおそれがある.そこで,中和,透析及び吸着/除去等のデバイスを装着したインライン試料前処理─ICシステムを構築し,実試料を用いてインライン試料前処理法の適用性と定量精度を評価した.その結果,高濃度夾雑成分の...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Bunseki kagaku 2019/03/05, Vol.68(3), pp.163-177 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | イオンクロマトグラフィー(IC)は,環境水,飲料水,工業用水,工場排水等の中の無機イオンの試験方法として普及しているが,試料中の高濃度夾(きょう)雑成分の妨害により定量精度の確保が困難になることが多い.そのため前処理による夾雑成分の除去や低減が不可欠であるが,測定対象である無機イオンは測定環境中にも存在し,器具等からの溶出もあるため,煩雑な前処理手法を用いる場合には操作中に汚染が引き起こされるおそれがある.そこで,中和,透析及び吸着/除去等のデバイスを装着したインライン試料前処理─ICシステムを構築し,実試料を用いてインライン試料前処理法の適用性と定量精度を評価した.その結果,高濃度夾雑成分の妨害を受けることなく,低濃度無機イオンを高精度に定量可能であった.インライン試料前処理法は,高濃度夾雑成分の除去及び試料汚染の低減による定量精度の向上だけでなく,分析の自動化や省力化においても価値ある技術である. |
---|---|
ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.68.163 |