話し言葉コーパスにおける「ことになる」の使用実態について

本稿は話し言葉における「ことになる」の文の使用実態を明らかにしたものである.話し言葉において,「そんなにたくさんお酒を飲むと,あした頭痛に苦しむことになるよ」のような「事実の展開」用法が最も多く使われていることがわかった.さらに,「ことになる」の前接形式と後接形式にも特徴が見られた.前接形式では「という」が多く現れ,特に「国会会議録」では70%近くを占めている.そのような「ということになる」は政治家が話す内容のポイントを際立たせ,「つなぎ」の機能を持っている.それに対し,後接形式では「わけだ」が多く現れたが,現れる場所の違いにより,機能も異なってくる.具体的に言えば,文末に現れる場合には論理的...

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Veröffentlicht in:Keiryo Kokugogaku 2018/06/20, Vol.31(5), pp.323-337
1. Verfasser: 陳, 秀茵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
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Beschreibung
Zusammenfassung:本稿は話し言葉における「ことになる」の文の使用実態を明らかにしたものである.話し言葉において,「そんなにたくさんお酒を飲むと,あした頭痛に苦しむことになるよ」のような「事実の展開」用法が最も多く使われていることがわかった.さらに,「ことになる」の前接形式と後接形式にも特徴が見られた.前接形式では「という」が多く現れ,特に「国会会議録」では70%近くを占めている.そのような「ということになる」は政治家が話す内容のポイントを際立たせ,「つなぎ」の機能を持っている.それに対し,後接形式では「わけだ」が多く現れたが,現れる場所の違いにより,機能も異なってくる.具体的に言えば,文末に現れる場合には論理的帰結を表している「ことになる」は「結果」を表す「わけだ」と親和性があり,ひとまとまりとして「帰結」を表す.文中に現れる「ことになるわけだが」形式の「わけだが」は「ことになる」の意味用法と関係なく,「事実の提示」を表す.
ISSN:0453-4611
2433-0302
DOI:10.24701/mathling.31.5_323