人口減少社会における家族と地域のゆくえ

人口減少社会を迎えて,家族社会学には家族や社会の現状と課題を解明し,その解決策を提示する役割が期待されている.このシンポジウムでは,次の3点について報告と議論を行った.第一は,出生力が長期間低下してきた理由とそこにみられる家族の再生産の変容についてである.第二は,出生率を回復させて人口減少傾向を反転させるために求められる対策の視点である.第三は,家族が安心して生活を営んでいくための行政機能や地域福祉の現状と課題についてである.シンポジウムでは3つの報告とこれに対する討論が行われ,人口減少社会に向けて,①「結婚しない・産まない自由」とともに「結婚する・産む自由」も社会が保障することの必要性,②子...

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Veröffentlicht in:Kazoku shakaigaku kenkyu 2016/04/30, Vol.28(1), pp.7-10
Hauptverfasser: 松田, 茂樹, 大和, 礼子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:人口減少社会を迎えて,家族社会学には家族や社会の現状と課題を解明し,その解決策を提示する役割が期待されている.このシンポジウムでは,次の3点について報告と議論を行った.第一は,出生力が長期間低下してきた理由とそこにみられる家族の再生産の変容についてである.第二は,出生率を回復させて人口減少傾向を反転させるために求められる対策の視点である.第三は,家族が安心して生活を営んでいくための行政機能や地域福祉の現状と課題についてである.シンポジウムでは3つの報告とこれに対する討論が行われ,人口減少社会に向けて,①「結婚しない・産まない自由」とともに「結婚する・産む自由」も社会が保障することの必要性,②子育てに関する価値観の醸成や中等教育修了者の地元での就業機会の拡大,③子育てや介護について行政,民間企業,地域社会,NPOなどの多様な担い手が連携することの必要性,などの提言がなされた.
ISSN:0916-328X
1883-9290
DOI:10.4234/jjoffamilysociology.28.7