動的分布モデルを用いたシマフクロウの個体群再生計画下における分布拡大予測
北海道に生息する希少種シマフクロウKetupa blakistoni blakistoniの個体数は、近年、保護活動の成果により回復過程にある。今後は道東地域に集中、過密化する個体群を分散させる必要がある。本研究では、まず、シマフクロウの分布が安定した地域を対象にシマフクロウの静的な広域分布モデルを構築した。この静的分布モデルを元に、シマフクロウの分散を考慮した動的分布モデルを構築し、複数の環境変化・保全シナリオ下でのシマフクロウの将来の分布の変化を予測した。静的分布モデルの解析の結果、河川沿いの天然林面積が大きく河川長が大きな地域はシマフクロウにとって好適だと推定された。動的分布モデルの予測...
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Veröffentlicht in: | Hozen Seitaigaku Kenkyu = Japanese Journal of Conservation Ecology 2017, Vol.22(1), pp.105-120 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 北海道に生息する希少種シマフクロウKetupa blakistoni blakistoniの個体数は、近年、保護活動の成果により回復過程にある。今後は道東地域に集中、過密化する個体群を分散させる必要がある。本研究では、まず、シマフクロウの分布が安定した地域を対象にシマフクロウの静的な広域分布モデルを構築した。この静的分布モデルを元に、シマフクロウの分散を考慮した動的分布モデルを構築し、複数の環境変化・保全シナリオ下でのシマフクロウの将来の分布の変化を予測した。静的分布モデルの解析の結果、河川沿いの天然林面積が大きく河川長が大きな地域はシマフクロウにとって好適だと推定された。動的分布モデルの予測の結果、本種の分布拡大のためには繁殖成功率の上昇が重要であることが示された。また、根釧個体群の分布拡大は困難であること、現在生息地ではない夕張山地への個体群の拡大が予測された。しかし、静的分布モデルの説明力は高くなく、将来分布の予測にばらつきが大きかったことから、実際のシマフクロウの分布拡大過程に応じた柔軟な保全計画を立てることが重要であろう。 |
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ISSN: | 1342-4327 2424-1431 |
DOI: | 10.18960/hozen.22.1_105 |