ポリプロピレン樹脂の射出成形による超撥水表面と家庭用樹脂製品への応用

本研究では,ポリプロピレン樹脂の射出成形によって,製品筐体の樹脂成形と同時に,製品表面に超撥水性を付与する試みを行った。本論文では,表面凹凸構造によって発現される撥水性において,マイクロメートルオーダーの形状寸法によって,接触角150°を超える超撥水性の可能性について検討した。その結果,凸高さ,凸間ピッチ,凸先端曲率半径の寸法最適化により,ポリプロピレンの射出成形によって製品表面を接触角150°以上とすることが可能であることを確認した。次に,家庭用樹脂製品に適用するための課題の一つである耐摩耗性の改善について検討した。その結果,凸先端の曲率半径をR5.0 μmとすることで,接触角130°と耐摩...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Shikizai Kyōkai shi 2018/04/20, Vol.91(4), pp.115-120
Hauptverfasser: 梅田, 章広, 堀端, 文枝, 平井, 千恵, 梅本, 大輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,ポリプロピレン樹脂の射出成形によって,製品筐体の樹脂成形と同時に,製品表面に超撥水性を付与する試みを行った。本論文では,表面凹凸構造によって発現される撥水性において,マイクロメートルオーダーの形状寸法によって,接触角150°を超える超撥水性の可能性について検討した。その結果,凸高さ,凸間ピッチ,凸先端曲率半径の寸法最適化により,ポリプロピレンの射出成形によって製品表面を接触角150°以上とすることが可能であることを確認した。次に,家庭用樹脂製品に適用するための課題の一つである耐摩耗性の改善について検討した。その結果,凸先端の曲率半径をR5.0 μmとすることで,接触角130°と耐摩耗性とを両立できることを確認した。これにより,従来の撥水剤の樹脂への添加やコーティングでは実現できなかった接触角130°以上の高い撥水性を付与した家庭用樹脂製品への展開が期待できる。
ISSN:0010-180X
1883-2199
DOI:10.4011/shikizai.91.115