土壌に散布する薬剤を用いた土壌生物シマミミズの急性毒性試験

人間は安全性や利便性を高めるために自然界において様々な薬剤を使用している.これらの薬剤が環境や生物に及ぼす影響を明らかにすることは,ヒトに対する潜在的な危険性を回避するためにも重要である.OECDではシマミミズEisenia fetidaを用いる急性毒性試験のテストガイドラインTG 207を整備している.本研究では農薬のスミチオン乳剤,地盤改良材として用いられる普通ポルトランドセメント,融雪剤の塩化カルシウムの3種類の薬剤に対し人工土壌を用いたシマミミズの急性毒性試験を行い,その影響について調べた.その結果,シマミミズに対する半数致死濃度LC50はスミチオン乳剤で0.418 mg/kg,普通ポ...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. G, Kankyo = Journal of Japan Society of Civil Engineers. Ser. G, Environmental Research 2017, Vol.73(6), pp.II_365-II_372
Hauptverfasser: 渡部, 守義, 高見, 徹, 弓岡, 大亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:人間は安全性や利便性を高めるために自然界において様々な薬剤を使用している.これらの薬剤が環境や生物に及ぼす影響を明らかにすることは,ヒトに対する潜在的な危険性を回避するためにも重要である.OECDではシマミミズEisenia fetidaを用いる急性毒性試験のテストガイドラインTG 207を整備している.本研究では農薬のスミチオン乳剤,地盤改良材として用いられる普通ポルトランドセメント,融雪剤の塩化カルシウムの3種類の薬剤に対し人工土壌を用いたシマミミズの急性毒性試験を行い,その影響について調べた.その結果,シマミミズに対する半数致死濃度LC50はスミチオン乳剤で0.418 mg/kg,普通ポルトランドセメントで19.6 g/kg,塩化カルシウムで22.1 g/kgと求めることができた.そして死亡要因の考察を行うとともに,実際の薬剤使用量から土壌内の薬剤濃度を推定し,試験結果との比較を行った.
ISSN:2185-6648
DOI:10.2208/jscejer.73.II_365