解離型分子を介した抗体固定化グラフト表面を用いた選択的な細胞捕獲・回収による細胞分離

細胞分離は,生命科学研究や医療における強力なツールとなっている.これまでさまざまな細胞分離方法が開発され,細胞分離技術の進歩に伴い幅広い分野での利用性が高まり,各分野での合目的な細胞分離法が提案されている.本報では,各細胞分離法に加え,筆者らが開発を進めている解離性分子を介した抗体固定化表面を用いた標的細胞の選択的な捕獲・回収について概説する.ポリアクリル酸グラフトにより細胞非接着性に表面改質し,抗体を固定化することで標的細胞を選択的に捕獲可能であった.抗体固定化の際にdesthiobiotinおよびDNAを解離性分子として用い,それぞれ,biotin修飾水溶性高分子の添加による交換反応,DN...

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Veröffentlicht in:Kōbunshi ronbunshū (Tokyo) 2018/03/25, Vol.75(2), pp.155-163
Hauptverfasser: 木村, 剛, 中村, 奈緒子, 橋本, 良秀, 坂口, 志文, 木村, 俊作, 岸田, 晶夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:細胞分離は,生命科学研究や医療における強力なツールとなっている.これまでさまざまな細胞分離方法が開発され,細胞分離技術の進歩に伴い幅広い分野での利用性が高まり,各分野での合目的な細胞分離法が提案されている.本報では,各細胞分離法に加え,筆者らが開発を進めている解離性分子を介した抗体固定化表面を用いた標的細胞の選択的な捕獲・回収について概説する.ポリアクリル酸グラフトにより細胞非接着性に表面改質し,抗体を固定化することで標的細胞を選択的に捕獲可能であった.抗体固定化の際にdesthiobiotinおよびDNAを解離性分子として用い,それぞれ,biotin修飾水溶性高分子の添加による交換反応,DNaseの添加による分解反応にて高効率な細胞回収が可能であった.免疫学的アフィニティーを応用した新たな細胞分離法としての可能性が示された.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2017-0074