微粒子調製ダブルネットワークゲルの力学特性と走査型顕微光散乱による内部構造解析

筆者らは，3Dプリンター技術に応用できる，高強度かつ三次元自由造形可能な微粒子調製ダブルネットワークゲル(P-DNゲル)の研究を行っている．P-DNゲルは，ダブルネットワークゲルと同様，硬く脆い網目構造(1stゲル)と柔軟で伸張性に優れた網目構造(2ndゲル)との異なる二種類の構造をもつモノマーから構成されているが，1stゲルに粒子状の構造をもつ．本研究では，P-DNゲルの構造を走査型顕微光散乱装置，力学試験機などによって調査した．その結果，2ndゲル網目由来と推察されるブラウン運動を観測することができた．また，力学試験により，P-DNゲルには塑性がありヒステリシスを示すことなどが判明した．とくに，1stゲル粒子の大きさを変化させることで，容易にゲルの硬さを変えることが可能であることが確認できた．