Complex fractionated atrial electrogramアブレーション前後の全心房伝導時間PA-TDI durationと心房細動再発との関連
目的:発作性心房細動のアブレーション治療では,肺静脈隔離術(PVI)が一般的であり,PVI後の再発予測因子として,組織ドプラ法を用いた全心房伝導時間(PA-TDI duration)が左房容積係数(LAVI)より有用であることが報告されている.我々の施設では,発作性心房細動の治療としてComplex fractionated atrial electrogramを指標としたアブレーション(CFAE ablation)を主に施行しているが,本法についての再発予測因子について検討された研究はない.今回我々は,CFAE ablation後の再発予測因子について検討を行った.対象と方法:対象は発作性心...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Japanese journal of medical ultrasound technology 2017/08/01, Vol.42(4), pp.399-409 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 目的:発作性心房細動のアブレーション治療では,肺静脈隔離術(PVI)が一般的であり,PVI後の再発予測因子として,組織ドプラ法を用いた全心房伝導時間(PA-TDI duration)が左房容積係数(LAVI)より有用であることが報告されている.我々の施設では,発作性心房細動の治療としてComplex fractionated atrial electrogramを指標としたアブレーション(CFAE ablation)を主に施行しているが,本法についての再発予測因子について検討された研究はない.今回我々は,CFAE ablation後の再発予測因子について検討を行った.対象と方法:対象は発作性心房細動で初回アブレーションを施行した160名中,PA-TDI durationの計測が可能であった107名を非再発群と再発群に分けて比較検討した.比例ハザード分析による多変量解析の検討を行い,予測因子となる可能性が示唆された因子については,Receiver Operating Characteristic curve(ROC曲線)による解析を行った.また,PA-TDI duration及びLAVIについては,CFAE ablation単独群とCFAE ablation+PVI群に分別して経過観察を行い心房細動再発との関連について検討した.結果:アブレーション前の心房細動再発予測因子に関して,再発群は非再発群と比較して左房径(LAD)(41.1±5.4 mm vs. 38.1±5.1 mm, p<0.01)が有意に拡大を認めた.比例ハザード分析による多変量解析を行い,左房容量(LAV),LADが心房細動再発の予測因子となる可能性が示唆されたが,ROC曲線による解析では,ROC曲線下の面積(AUC)が,LAVは0.609, LADは0.651と予測能としては低いという結果であった.また,CFAE ablation単独およびCFAE ablation+PVI両群ともアブレーション前のPA-TDI duration, LAVIは非再発群と再発群に有意差は認めなかったが,6か月後のPA-TDI durationでは,両群とも再発群では,アブレーション前よりも有意に延長を認めた(CFAE ablation単独:142.9±18.5 msec vs. 155.4±17.6 msec, p<0.01. CFAE ablation+PVI: 135.6±20.3 msec vs. 155.1±21.8 msec, p<0.01).非再発群では,CFAE ablation単独例において,アブレーション前より有意に短縮を認めた(141.8±23.3 msec vs. 131.1±23.9 msec, p=0.011).LAVIでは,CFAE ablation単独及びCFAE ablation+PVI両群とも有意差を認めなかった.結語:アブレーション前の心房細動再発予測因子は,発作性心房細動に対するCFAE ablation後の再発予測因子とはなりえなかった.しかしながら,アブレーション前と比較して6か月後のPA-TDI durationが延長すると,心房細動を再発しやすいことが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 1881-4506 1881-4514 |
DOI: | 10.11272/jss.42.399 |