江の川における環境DNA分析を用いたアユの定量化と生物量に影響を与える環境要因の検討

三次盆地周辺の江の川水系では,オオカナダモをはじめとする外来沈水植物がアユの漁獲量に影響を与えていると言われていたが,これまで,広範囲にわたってアユの資源量を把握する手段がなかった.そこで本研究では,近年発展が著しい環境DNA分析を用いることにより,多地点におけるアユの生物量を定量化し,さらに,アユの生物量に影響を与える可能性が考えられる環境条件との関係性を明らかにすることを試みた.その結果,アユの環境DNA濃度は,標高が強い関係性を示したのみで,オオカナダモの被度を含む,他の環境要因との関係性はほとんどみられなかった.これらの結果から,アユの資源量には,単純にオオカナダモの繁茂が負の影響を与...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. B1, Suikogaku = Journal of Japan Society of Civil Engineers. Ser. B1, Hydraulic Engineering 2017, Vol.73(4), pp.I_1105-I_1110
Hauptverfasser: 乾, 隆帝, 後藤, 益滋, 河野, 誉仁, 赤松, 良久, 掛波, 優作, 一松, 晃弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:三次盆地周辺の江の川水系では,オオカナダモをはじめとする外来沈水植物がアユの漁獲量に影響を与えていると言われていたが,これまで,広範囲にわたってアユの資源量を把握する手段がなかった.そこで本研究では,近年発展が著しい環境DNA分析を用いることにより,多地点におけるアユの生物量を定量化し,さらに,アユの生物量に影響を与える可能性が考えられる環境条件との関係性を明らかにすることを試みた.その結果,アユの環境DNA濃度は,標高が強い関係性を示したのみで,オオカナダモの被度を含む,他の環境要因との関係性はほとんどみられなかった.これらの結果から,アユの資源量には,単純にオオカナダモの繁茂が負の影響を与えているわけではないことが明らかになった.
ISSN:2185-467X
DOI:10.2208/jscejhe.73.I_1105