溶存イオンと放射性同位体を用いた黒部川扇状地地下水の滞留時間と涵養域の推定

黒部川扇状地の地下環境を解明する目的で,放射性同位体,溶存イオン,透水係数を用いて地下水の滞留時間と涵養域の推定を行った.溶存イオン10項目を用いて主成分分析を行った結果,下流域もしくは中流域の黒部川が涵養域であると推定された.黒部川扇状地のトリチウム濃度は3.0 TUから4.3 TUであった.その結果,黒部川扇状地に位置する87 m以浅の地下水の滞留時間は35年から39年であることがわかった.これは,透水係数を用いた滞留時間の解析と同様な結果となった.また,得られた滞留時間を用いて涵養域を推定した結果,河口から13.4 kmから26.4 kmの区間であることがわかった.これは,扇頂部に位置す...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. B1, Suikogaku = Journal of Japan Society of Civil Engineers. Ser. B1, Hydraulic Engineering 2017, Vol.73(4), pp.I_67-I_72
Hauptverfasser: 松浦, 拓哉, 手計, 太一, 北, 隆平, 溝口, 敏明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:黒部川扇状地の地下環境を解明する目的で,放射性同位体,溶存イオン,透水係数を用いて地下水の滞留時間と涵養域の推定を行った.溶存イオン10項目を用いて主成分分析を行った結果,下流域もしくは中流域の黒部川が涵養域であると推定された.黒部川扇状地のトリチウム濃度は3.0 TUから4.3 TUであった.その結果,黒部川扇状地に位置する87 m以浅の地下水の滞留時間は35年から39年であることがわかった.これは,透水係数を用いた滞留時間の解析と同様な結果となった.また,得られた滞留時間を用いて涵養域を推定した結果,河口から13.4 kmから26.4 kmの区間であることがわかった.これは,扇頂部に位置する愛本堰堤から中流部に位置する黒薙の区間にあたる.
ISSN:2185-467X
DOI:10.2208/jscejhe.73.I_67