レベル2津波が二重堤防構造を越流する際の流況変化を踏まえた減勢効果の評価

東北地方太平洋沖地震津波による壊滅的被害を受けて,レベル2津波の減災対策として多重防御が推進されるようになった.本研究では二重堤防構造に関して,陸側堤防の高さ・表法面勾配と2つの堤防の間隔が流況とエネルギー減勢に及ぼす影響を解明するため水理模型実験を行った.また,既往研究との比較から模型のスケール効果を議論し,エネルギー減勢を評価する実験式を作成した.  結果として,二重堤防構造越流時の流況は4種類に分類され,そのうち陸側堤防法面に沿って射流で流れる場合は減勢効果が低いことが示された.堤防間に流体が貯留されるか否かについては,履歴効果を踏まえればスケールの影響は極めて小さいことが分かった.実験...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. B1, Suikogaku = Journal of Japan Society of Civil Engineers. Ser. B1, Hydraulic Engineering 2017, Vol.73(4), pp.I_1009-I_1014
Hauptverfasser: 五十嵐, 善哉, 田中, 規夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:東北地方太平洋沖地震津波による壊滅的被害を受けて,レベル2津波の減災対策として多重防御が推進されるようになった.本研究では二重堤防構造に関して,陸側堤防の高さ・表法面勾配と2つの堤防の間隔が流況とエネルギー減勢に及ぼす影響を解明するため水理模型実験を行った.また,既往研究との比較から模型のスケール効果を議論し,エネルギー減勢を評価する実験式を作成した.  結果として,二重堤防構造越流時の流況は4種類に分類され,そのうち陸側堤防法面に沿って射流で流れる場合は減勢効果が低いことが示された.堤防間に流体が貯留されるか否かについては,履歴効果を踏まえればスケールの影響は極めて小さいことが分かった.実験式の整合性を確かめた上で,陸側堤防の高さ・表法面勾配,堤防間隔が津波減勢効果に与える影響を明らかにした.
ISSN:2185-467X
DOI:10.2208/jscejhe.73.I_1009