浅海定線調査データに基づく有明海の密度成層の長期変化に関する解析

有明海の水質環境の長期変化について浅海定線調査データを用いた多くの研究が実施されてきたが,研究毎に見解や結論が異なっている場合も多い.本研究では,浅海定線調査データに基づく過去の研究に対して最新のデータを加えた再解析を実施し,諫早湾潮受け堤防締め切り,河川流量や潮汐の長期変化・変動と夏季の密度成層の変化の関連についての考察を行った.主要な結果として,有明海湾奥部の表層塩分は,諫早湾潮受け堤防締め切り後の期間に増加傾向になっている地点が多く存在するなど,河川水の分布に有意にな変化は検出されなかった.また,成層度の経年変化は解析対象の年代や地点毎に結果が大きく異なるため統計的に有意な経年トレンドは...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. B1, Suikogaku = Journal of Japan Society of Civil Engineers. Ser. B1, Hydraulic Engineering 2017, Vol.73(4), pp.I_1051-I_1056
Hauptverfasser: 田井, 明, 森本, 陽介
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:有明海の水質環境の長期変化について浅海定線調査データを用いた多くの研究が実施されてきたが,研究毎に見解や結論が異なっている場合も多い.本研究では,浅海定線調査データに基づく過去の研究に対して最新のデータを加えた再解析を実施し,諫早湾潮受け堤防締め切り,河川流量や潮汐の長期変化・変動と夏季の密度成層の変化の関連についての考察を行った.主要な結果として,有明海湾奥部の表層塩分は,諫早湾潮受け堤防締め切り後の期間に増加傾向になっている地点が多く存在するなど,河川水の分布に有意にな変化は検出されなかった.また,成層度の経年変化は解析対象の年代や地点毎に結果が大きく異なるため統計的に有意な経年トレンドは見出されず,変動要因として潮汐よりも年毎の河川流量変動の影響が大きいことが明らかとなった.
ISSN:2185-467X
DOI:10.2208/jscejhe.73.I_1051