遠心力場における乱泥流実験と流況の観察

本研究では,海底地盤の不安定化や崩壊等によって発生する土砂の長距離輸送や乱泥流の流況を観察する目的で,遠心力場で水中土砂流動実験を行った.高密度な土砂輸送現象に着目し,粘土の含水比を80から140%に変化させて流動距離の変化を調べた.実験の結果,粘土の含水比の違いにより2種類の特徴的な流況があることを見出した.1) 粘土の一様な流動と 2) 粘土と水が混濁した流動である.前者は含水比の増加に伴い流動距離は増加するが,流動中に外部流体を撹拌するため流動距離は後者に比べて短い.後者の流動は,含水比が液性限界の1.2倍以上の時に発生し,流動中に渦が発達せずエネルギー損失が少ないために,速度が維持され...

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Veröffentlicht in:Doboku Gakkai Ronbunshu. B3, Kaiyo Kaihatsu 2017, Vol.73(2), pp.I_672-I_677
Hauptverfasser: 宮本, 順司, 鶴ヶ崎, 和博, 角田, 紘子, 野村, 瞬, 阪口, 秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:本研究では,海底地盤の不安定化や崩壊等によって発生する土砂の長距離輸送や乱泥流の流況を観察する目的で,遠心力場で水中土砂流動実験を行った.高密度な土砂輸送現象に着目し,粘土の含水比を80から140%に変化させて流動距離の変化を調べた.実験の結果,粘土の含水比の違いにより2種類の特徴的な流況があることを見出した.1) 粘土の一様な流動と 2) 粘土と水が混濁した流動である.前者は含水比の増加に伴い流動距離は増加するが,流動中に外部流体を撹拌するため流動距離は後者に比べて短い.後者の流動は,含水比が液性限界の1.2倍以上の時に発生し,流動中に渦が発達せずエネルギー損失が少ないために,速度が維持され流動距離が長くなる結果が得られた.この流動形態は乱泥流の長距離輸送発現条件の一つであると考えられる.
ISSN:2185-4688
DOI:10.2208/jscejoe.73.I_672