造影頸動脈超音波検査で造影剤のプラークへの著明な流入を認めた頸動脈狭窄症の1例

「背景」頸動脈プラークはアテローム血栓性脳梗塞の原因として重要であり, 超音波検査において低輝度で狭窄度の高いもの, 表面性状が著しく不整なものが急速に進展して脳梗塞を起こしやすい. したがって, 狭窄率とともにプラーク性状を評価することは脳梗塞の発症予防に有用である. 一方, 塞栓源となりうるリスクが高いプラークの組織学的特徴として, 大きな脂質コアの存在, マクロファージの浸潤, fibrous capの菲薄化や破綻, プラーク内出血が挙げられる. プラーク内出血にはプラーク内新生血管の脆弱性が関与しており, 症候性プラークでは無症候性プラークと比較してプラーク内新生血管の断面積が大きく形...

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Veröffentlicht in:Neurosonology 2016, Vol.29(3), pp.191-195
Hauptverfasser: 小野寺, 奈緒, 大浦, 一雅, 加藤, 正義, 大庭, 英樹, 小林, 正和, 小笠原, 邦昭, 人見, 次郎, 諏訪部, 章, 寺山, 靖夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「背景」頸動脈プラークはアテローム血栓性脳梗塞の原因として重要であり, 超音波検査において低輝度で狭窄度の高いもの, 表面性状が著しく不整なものが急速に進展して脳梗塞を起こしやすい. したがって, 狭窄率とともにプラーク性状を評価することは脳梗塞の発症予防に有用である. 一方, 塞栓源となりうるリスクが高いプラークの組織学的特徴として, 大きな脂質コアの存在, マクロファージの浸潤, fibrous capの菲薄化や破綻, プラーク内出血が挙げられる. プラーク内出血にはプラーク内新生血管の脆弱性が関与しており, 症候性プラークでは無症候性プラークと比較してプラーク内新生血管の断面積が大きく形状が不整であり, 1mm2あたりの新生血管の数が多いと報告されている. 近年, 頸動脈プラークのリスク評価法として, 造影頸動脈超音波検査によるプラーク内新生血管評価の有用性が報告されている. 当院では本学倫理委員会の承認を得て, 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy : CEA)の術前患者を対象に, 書面による同意を得たうえでソナゾイド(R)を用いた造影頸動脈超音波検査によるプラーク内新生血管の観察を行っている.
ISSN:0917-074X
1884-3336
DOI:10.2301/neurosonology.29.191