秋播きしたアマ (Linum usitatissimum L.) 品種Lirinaの収量と収量構成要素

作付体系の多様化の一手段として,油料アマの秋播き栽培の可能性について検討した.2013~2014年と2014~2015年に,京都において,油料アマの代表的な品種であるLirina(春播き用の品種)を栽培した.秋播き栽培として10月中旬,下旬,および11月上旬に播種した際の生育と収量構成要素を調査し,3月中旬と下旬播種の春播き栽培の結果との比較を行った.秋播きしたアマはいずれも翌年の4月に開花し,収穫適期は6月中旬であった.秋播きしたアマの種子収量は2013年次は310~420 g m–2,2014年次は270~350 g m–2であり,収量には3つの播種時期の間に有意な差がみられなかったが,収...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 2016/10/05, Vol.85(4), pp.421-426
Hauptverfasser: 中元, 朋実, 堀元, 栄枝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:作付体系の多様化の一手段として,油料アマの秋播き栽培の可能性について検討した.2013~2014年と2014~2015年に,京都において,油料アマの代表的な品種であるLirina(春播き用の品種)を栽培した.秋播き栽培として10月中旬,下旬,および11月上旬に播種した際の生育と収量構成要素を調査し,3月中旬と下旬播種の春播き栽培の結果との比較を行った.秋播きしたアマはいずれも翌年の4月に開花し,収穫適期は6月中旬であった.秋播きしたアマの種子収量は2013年次は310~420 g m–2,2014年次は270~350 g m–2であり,収量には3つの播種時期の間に有意な差がみられなかったが,収量構成要素についてみると,播種時期が晩いほど,花序分枝あたりの蒴数が少なく,種子一粒重が大きかった.秋播きは,春播きと同程度あるいはやや高い種子収量を示したが,茎葉部の乾物重が大きく,収穫指数は春播き(31~40%)に比べて小さかった(24~32%).秋播きでは,春播きに比べて,子葉節からの一次分枝の発生数が多く,種子一粒重が大きかった(秋播き5.9~6.5 mg,春播き5.3~6.0 mg).ここで用いた品種では春播きと同等の収量がえられたことから,温暖地ではアマの秋播き栽培による利用が可能と考えられた.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.85.421