O-12-03 在宅で過ごす医療的ケア児の身体拘束に対する親の思い

はじめに研究者が在宅で過ごす医療的ケア児の身体拘束と計画外抜去の実態を調査した研究(2018年)では、経鼻胃管の計画外抜去が高頻度にみられ、退院後に身体拘束の方法を軽くした・やめた事例が少なくなかった。目的医療的ケア児が在宅で安全・安楽に過ごすために、親の計画外抜去への不安や身体拘束に対する思いを知り今後の支援に活かす。方法訪問看護を提供するA事業所の利用者で、医療的ケアを必要とし、且つ計画外抜去の可能性がある児の主介護者50人を対象に、入院中と退院後の身体拘束の実態や、身体拘束に対する親の思いを自記式質問紙調査(調査期間:2019年2月〜3月)。所属機関倫理委員会の承認を得た。結果37人から...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2021, Vol.46(2), pp.270-270
Hauptverfasser: 佐久間, 香子, 小川, 一枝, 高橋, 由紀子, 日高, 美那穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに研究者が在宅で過ごす医療的ケア児の身体拘束と計画外抜去の実態を調査した研究(2018年)では、経鼻胃管の計画外抜去が高頻度にみられ、退院後に身体拘束の方法を軽くした・やめた事例が少なくなかった。目的医療的ケア児が在宅で安全・安楽に過ごすために、親の計画外抜去への不安や身体拘束に対する思いを知り今後の支援に活かす。方法訪問看護を提供するA事業所の利用者で、医療的ケアを必要とし、且つ計画外抜去の可能性がある児の主介護者50人を対象に、入院中と退院後の身体拘束の実態や、身体拘束に対する親の思いを自記式質問紙調査(調査期間:2019年2月〜3月)。所属機関倫理委員会の承認を得た。結果37人から回答を得て、回収率は74%。主介護者は母親89%、年齢は30〜40歳代92%。対象の医療的ケア児は3歳以下92%、在宅期間は1年未満51%だった。医療デバイスは経鼻胃管70%、気管カニューレ51%、人工呼吸器(侵襲的)35%、経鼻経腸チューブ14%。在宅で計画外抜去ありは81%。経鼻胃管89%、人工呼吸器(侵襲的)62%、気管カニューレ32%、経鼻経腸チューブ20%で経験していた。計画外抜去時の対応は経鼻経腸チューブ以外全員が両親、経鼻経腸チューブは病院受診であった。入院中に身体拘束の経験あり78%、うち不満ありは59%で“動けなくて可哀想”などと回答。退院後の身体拘束の状況は、方法を軽くした、身体拘束しないを合わせ81%で“成長発達は大切”などと回答。在宅で身体拘束を行っているのは38%で、経鼻経腸チューブ挿入児の80%を占めた。また退院後の生活で計画外抜去や身体拘束について不安ありは全体の81%であった。考察1.在宅では、抜去時に親が対応出来るか否かで身体拘束をするか否か関与すると考える。2.医療的ケア児の親は、医療デバイスの計画外抜去に不安を抱きながらも、子どもの成長発達を考え身体拘束せずに子育てしたいと思っている。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.46.2_270_1