O-8-02 当園の高齢者のてんかんについて
はじめに当園も入所者の高齢化が進み、2019年4月現在で60歳以上の入所者が140名中50名となっている。また、その内てんかん合併が半数を占めている。一般的に加齢に伴いてんかん発作頻度は減少するといわれている。そこで、当園の60歳以上かつてんかん合併がある入所者のてんかん発作頻度について、調査・比較し考察したのでここに報告する。対象当園入所者140名中、てんかん合併があり2019年4月1日現在60歳以上、かつ入所10年以上で、てんかん発作頻度の経過を調査できた24名。研究方法入所時から現在まで、てんかん発作の年間日数をカウントし推移をみた。また、障害発生時期や大島分類による違いについて比較を行...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2021, Vol.46(2), pp.256-256 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに当園も入所者の高齢化が進み、2019年4月現在で60歳以上の入所者が140名中50名となっている。また、その内てんかん合併が半数を占めている。一般的に加齢に伴いてんかん発作頻度は減少するといわれている。そこで、当園の60歳以上かつてんかん合併がある入所者のてんかん発作頻度について、調査・比較し考察したのでここに報告する。対象当園入所者140名中、てんかん合併があり2019年4月1日現在60歳以上、かつ入所10年以上で、てんかん発作頻度の経過を調査できた24名。研究方法入所時から現在まで、てんかん発作の年間日数をカウントし推移をみた。また、障害発生時期や大島分類による違いについて比較を行った。結果 ・30〜50歳代に増加し、60歳以降減少する傾向があった。 ・40歳代からてんかん発作が無かったが、70歳代で再度てんかん発作が確認されるケース1名、60歳代で発症したケース2名であった。 ・障害発生時期では、出生後に比べ、胎児期・周産期の障害発生があったケースの方が、発作頻度の減少時期が早い傾向にあった。 ・大島分類による比較では、明確な違いはなかった。 ・てんかん発作の型では、増加や減少時期には明確な違いはなかった。考察てんかん発作頻度は、60歳以降減少する傾向にあるのは既報告の研究と同様であったが、60歳以降に再度てんかん発作が確認されるケースもあった。しかし、症例によるバラツキがあり、それぞれの症例ごとにてんかん発作の状況を把握し観察していくことが大切であると考える。また高齢発症のてんかんは、けいれんを伴わない事も多いと言われ、発見が困難である。入所者の高齢化に伴い、普段と違う動作や意識減損等あれば、てんかんである可能性も考慮し、見逃さないようにしっかりと観察したい。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.46.2_256_2 |