O-1-11　当院のオンライン面会の実績と課題、今後の取り組み

はじめに新型コロナウイルス感染症に伴う面会制限のため、多くの施設でオンライン面会が実施されている。当院でも令和2年9月から病院内の一室と病床を結ぶオンライン面会を実施しているが、運用内容や家族からの要望など、課題も少なくない。感染症の収束が見えず、オンライン面会の継続が見込まれる中、これまでの実績や運用上の課題を踏まえて今後取り組むべきことなどを検討したので報告する。目的これまでのオンライン面会を通して、実績や課題を整理する。家族の意見や要望を踏まえて、利用者と家族が継続的に交流を保てる対応手段を検討する。方法当院のオンライン面会の実績や課題を整理した上で、家族へのアンケート調査や職員の意見、提案などを把握する。結果当院のオンライン面会は、新型コロナウイルス対策本部会議での面会制限の方針をもとに、事務部、看護部、療育指導室などの各部署が分担して予約案内郵送、受付対応、日程調整、面会当日の利用者・家族の対応、オンライン機器操作などを行っている。 2つの病棟で、開始から1年間でのべ391件実施し、利用者103人中38組の家族がほぼ毎月利用されている。家族からはおおむね良好な感想が得られている。一方で、来院が必要なため、健康チェックや面会対応の時間調整なども必要である。さらに、感染拡大時にはオンライン面会自体も中止となるため、家族の自宅からのオンライン面会を検討している。家族の通信機器の使用状況なども踏まえて今後取り組むべきことを提示する。考察オンライン面会は、対面面会の代替手段ばかりではなく、医療・福祉サービスに関わる家族への説明、照会手段として有用性が期待される。利用拡大にあたり、家族の通信機器使用や個人情報等も課題となるため、家族の使用案内、取り決めを含めた運用マニュアルの整備が必要である。