O-28-01 法定代理人と医療ケアチームで話し合い、ACPを作成した重症例の分析

目的現在医療型障害児入所施設においても利用者の高齢化・重症化が進み、本人の尊厳のためにどこまで侵襲的な治療介入を行うかが大きな倫理的ジレンマとなっている。家族と医療ケアチームで本人の最善の利益を中心に話し合い、Advance care planning(ACP)を作成し、その後の経過を分析したので報告する。対象および方法対象は、特に生命予後との関連で病態が不安定になり、急変時の対応について法定代理人(家族)と話し合い、協働意思決定してACPを作成した10例である。最終的に家族の希望も入れて修正し、署名をいただいた文章を倫理委員会に提出し原則承認を受けた(承認:8名、事後報告:1名、申請前に突然...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2019, Vol.44(2), pp.417-417
Hauptverfasser: 船戸, 正久, 竹本, 潔, 和田, 浩, 飯島, 禎貴, 羽多野, わか, 藤原, 真須美, 片山, 珠美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:目的現在医療型障害児入所施設においても利用者の高齢化・重症化が進み、本人の尊厳のためにどこまで侵襲的な治療介入を行うかが大きな倫理的ジレンマとなっている。家族と医療ケアチームで本人の最善の利益を中心に話し合い、Advance care planning(ACP)を作成し、その後の経過を分析したので報告する。対象および方法対象は、特に生命予後との関連で病態が不安定になり、急変時の対応について法定代理人(家族)と話し合い、協働意思決定してACPを作成した10例である。最終的に家族の希望も入れて修正し、署名をいただいた文章を倫理委員会に提出し原則承認を受けた(承認:8名、事後報告:1名、申請前に突然死1名)。結果ACP作成時の年齢は20歳未満4例、20歳以上6例(内1歳未満1例、60歳以上2例)であった。ACP作成後7例(1か月-2年7か月)が召天した(入所:5例、自宅:2名)。3例は今も生存中である。意思決定は、法定代理人と医療ケアチームの協働:6例、さらに基幹病院や地域かかりつけ医とも協働:3名、医療ケアチームの協働:1名(父:死亡、母:認知症)であった。話し合いの切っ掛けは、重度脳損傷、臨床的脳死、腸管通過不全、脳腫瘍の増悪などであった。家族が希望しない侵襲的治療介入は、心肺蘇生:10例、高カロリー輸液:5例、人工呼吸器:1例などであった。具体的な生活・看取り・グリーフ支援の内容は、日中活動・イベント参加:各10例、家族の看取り・お別れ会・正面玄関からの見送り:各5名、通夜・葬儀の参列:6例、メモリアルカンファレンス:4例、遺族訪問:2例であった。結語療育の役割は、医療ケアチームで本人の人権と尊厳を大切にして、最善の利益を個別に支援することにある。ACPの作成は、重度で意思表示ができない本人の最善のトータルケアを法定代理人である家族と共に考える良い機会となる。申告すべきCOIはない。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.44.2_417_2