O-25-05 フィンランドの社会保障制度改革と日本の課題報告: 切れ目のない人生の支援を求めて
「重症心身障害児施設」が発足から55年、日本は保健福祉医療政策を「地域包括ケアシステム」に改革し、コミュニティ・ベースドで担うソーシャル・インクルージョンに移行しつつある。北欧の社会保障制度は、1960年代の①ノーマライゼーションの理念をはじまり②1970年代には、インテグレート(場の統合と個人の統合)を目標とし、1980年代には③地域で包括的にケアするインクルーシブ・ソサエティが構築され定着し改革が深化している。現在の改革の主な点は、フィンランド経済の順調な成長を背景として、①人生や人権に呼応した幅広い(医療、住居、教育、生活など・・・)allowanceが拡大し②効率的な社会保障費支出の評...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2019, Vol.44(2), pp.411-411 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「重症心身障害児施設」が発足から55年、日本は保健福祉医療政策を「地域包括ケアシステム」に改革し、コミュニティ・ベースドで担うソーシャル・インクルージョンに移行しつつある。北欧の社会保障制度は、1960年代の①ノーマライゼーションの理念をはじまり②1970年代には、インテグレート(場の統合と個人の統合)を目標とし、1980年代には③地域で包括的にケアするインクルーシブ・ソサエティが構築され定着し改革が深化している。現在の改革の主な点は、フィンランド経済の順調な成長を背景として、①人生や人権に呼応した幅広い(医療、住居、教育、生活など・・・)allowanceが拡大し②効率的な社会保障費支出の評価が行われ③市町での支援内容の決定からat homeで個人のニーズを把握し支援できるよう改革が進化している点にある。教育においても、根本理念は、障害のある子どもたちを通常の学校である基礎学校において就学させる中で、特別な支援を必要とする子どもに支援を提供することが重視され、分離、抽出等は、極力、必要最低限に抑えられて、就学の場所、用意される教育プログラムの決定は、当事者である子どもと親の意思が重視されている。2016年PISA(Programme for International Student Assessment)で学力世界一となった国フィンランドでは、障害のない子どもたちと特別支援を必要とする子どもたちが、同じレベルの教育を受けられるように配慮されていることにある。現在、日本における重症心身障害児(者)の寿命は延伸し、70歳を超える障害高齢者の発達支援(社会教育や生きがい、孤立への支援)の必要性が増加している。障害のある子どもたちはいずれ成人となり高齢者となることから、切れ目なく人生を通じた感情支援と経済的支援と人生の経験を共有する支援者が必要であり、18歳を区切りとした「医療型障害児入所施設」から「療養介護事業所・施設」への住まいの移動は柔軟性を欠いた支援となっている。本報告では、フィンランドのリービングケアについて報告する。申告すべきCOIはない。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.44.2_411_1 |