O-16-05 徒手的呼吸介助と蘇生バッグによる加圧換気法を取り入れた呼吸リハビリテーション
はじめに重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の呼吸管理はその生命予後を左右する重要な要素であるが、在宅児の場合、その管理は家庭でのケアにゆだねられており、その手法、労力が課題である。今回呼吸器感染による入退院を繰り返す気管切開をしている在宅重症心身障害者3名に対し、体位ドレナージに加え、徒手による呼吸介助と蘇生バッグによる加圧換気法を取り入れ、家族、訪問看護師等と連携し、継続的に行い、良好な経過をたどっているので報告する。対象呼吸状態悪化時に人工呼吸器管理の既往があり気管切開をしている重症心身障害者3症例。症例1:新生児仮死による脳性麻痺の27歳男性 症例2:副腎白質ジストロフィーの33...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2019, Vol.44(2), pp.385-385 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の呼吸管理はその生命予後を左右する重要な要素であるが、在宅児の場合、その管理は家庭でのケアにゆだねられており、その手法、労力が課題である。今回呼吸器感染による入退院を繰り返す気管切開をしている在宅重症心身障害者3名に対し、体位ドレナージに加え、徒手による呼吸介助と蘇生バッグによる加圧換気法を取り入れ、家族、訪問看護師等と連携し、継続的に行い、良好な経過をたどっているので報告する。対象呼吸状態悪化時に人工呼吸器管理の既往があり気管切開をしている重症心身障害者3症例。症例1:新生児仮死による脳性麻痺の27歳男性 症例2:副腎白質ジストロフィーの33歳男性 症例3:レノックス症候群の27歳女性方法それぞれの体格合わせた目標換気量を設定し、簡易流量計を用いて蘇生バッグを使用する際の加圧加減を確認した。蘇生バッグ使用時に胸郭がしっかりと広がっていることを目視、触診、聴診で確認しその動きに合わせて徒手的呼吸介助を行った。5呼吸x3回を1セットとし、仰臥位、左右側臥位の体位で計3セットを1〜2回/日、4〜7日/週を目安に行った。退院後も継続的に行えるように当院の理学療法士、慢性呼吸器認定看護師より、訪問看護師・理学療法士、デイサービス看護師、家族に手技を指導した。結果本手技を導入後、症例1は15か月、症例2は3か月、症例3は6か月の間発熱、呼吸器感染による治療入院はない。酸素吸入量も減少、胸部CT所見の改善も認めており、良好な経過をたどっている。考察重症児(者)は側わん症などの変形拘縮や筋力低下、中枢性の呼吸抑制などから胸郭運動の左右不均衡や低換気、喀痰喀出困難を来しやすい。身近な蘇生バッグを用いて自発呼吸のみでは得られない十分量の換気で肺胞を膨らませ、呼吸介助をする方法は手軽でどこでもできる有効かつ継続可能な方法である。申告すべきCOIはない。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.44.2_385_2 |