O-14-06 台風による大規模停電が在宅医療を必要とする子どもと家族にもたらした影響
目的在宅医療を必要とする子どもと家族の生活に、2018年9月30日深夜に東海地方を通過した台風24号がもたらした大規模停電の影響について後方視的に調査し、今後、災害対策を考える時の一助とする。対象・方法当院訪問診療・看護・リハビリテーションを現在利用している35名のうち、協力が得られた11名(女性2名、男性9名、平均年齢10.3歳)の保護者について質問紙調査を行い、検討した。結果停電した家庭は5名、停電時間は5〜21時間(平均14.1時間)であった。安否確認連絡は医療機関から7名、医療機器会社から5名、行政から2名であった。停電した5名のうち病院入院1名、通所先に緊急短期入所1名、他3名は発電...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2019, Vol.44(2), pp.379-379 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 目的在宅医療を必要とする子どもと家族の生活に、2018年9月30日深夜に東海地方を通過した台風24号がもたらした大規模停電の影響について後方視的に調査し、今後、災害対策を考える時の一助とする。対象・方法当院訪問診療・看護・リハビリテーションを現在利用している35名のうち、協力が得られた11名(女性2名、男性9名、平均年齢10.3歳)の保護者について質問紙調査を行い、検討した。結果停電した家庭は5名、停電時間は5〜21時間(平均14.1時間)であった。安否確認連絡は医療機関から7名、医療機器会社から5名、行政から2名であった。停電した5名のうち病院入院1名、通所先に緊急短期入所1名、他3名は発電機、蓄電池、予備バッテリーを利用し自宅で過ごしていた。停電前から発電機を準備していたのは6名、蓄電池1名、停電後に発電機を準備した1名を合わせて人工呼吸器管理を必要とする子どもは8例全例で発電機もしくは蓄電池を準備していた。困ったこととして室温管理を3名、バッテリーを2名が挙げていた。発電機や食料・水、予備バッテリーの意識は高いが、蓄電池や車の電源コード、非電源吸引器や薬、オムツの予備まで意識している方は少なかった。情報インフラとして携帯電話とLINE、メールはほぼ全員が利用していた。考察今回の停電は地域によって停電の有無や時間が大きく異なっていた。医療機関も被災しているところが少なく、入院対応可能であった。季節的には良い気温であったが、それでも室温管理が困難だったと停電した5名中3名が答えていた。発電機は保有率も高く、今回利用した方も多くいたが、発電機の音が心配で蓄電池が必要だったという声も挙がっていた。停電しなかった家庭で、近くに住む他の在宅医療を必要とする子どもに電源とお風呂を提供していた。自助、公助だけでなく共助、普段からの近所の繋がりも重要である。結語行政が在宅医療を必要とする子どもを全例把握する仕組み作り、利用率の高い情報インフラで行政と当事者、救急隊、医療機関、電力会社や医療機器会社をつなぐ複数の仕組み作りが必要である。申告すべきCOIはない。 |
---|---|
ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.44.2_379_2 |