O-4-06 骨粗鬆症を合併した重症心身障害者に対するデノスマブ治療
はじめに重症心身障害者が不動性骨粗鬆症を合併しやすいことはよく知られている。今回、骨粗鬆症と診断された長期入所者14名を対象に、デノスマブ治療群と非治療群の2群に分けて1年後の治療効果を検討した。対象女性長期入所者14名。デノスマブ治療群が6名で非治療群が8名。各々平均年齢は59.8歳と58.5歳、大島分類平均は1.2と1.1。検査と方法骨代謝マーカー(TRACP-5b とP1NP)測定、血清Ca値測定、DXA法による骨密度測定、椎体X-Pによる新規骨折の有無および定期的な歯科検診を実施。対象者全員に活性型ビタミンDの内服と治療群についてはデノスマブ60mg皮下注射を6か月ごとに実施。結果骨代...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2019, Vol.44(2), pp.349-349 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに重症心身障害者が不動性骨粗鬆症を合併しやすいことはよく知られている。今回、骨粗鬆症と診断された長期入所者14名を対象に、デノスマブ治療群と非治療群の2群に分けて1年後の治療効果を検討した。対象女性長期入所者14名。デノスマブ治療群が6名で非治療群が8名。各々平均年齢は59.8歳と58.5歳、大島分類平均は1.2と1.1。検査と方法骨代謝マーカー(TRACP-5b とP1NP)測定、血清Ca値測定、DXA法による骨密度測定、椎体X-Pによる新規骨折の有無および定期的な歯科検診を実施。対象者全員に活性型ビタミンDの内服と治療群についてはデノスマブ60mg皮下注射を6か月ごとに実施。結果骨代謝マーカーでは、TRACP-5bもP1NPも治療群において明らかな低下を認めたが両群での有意な差は認めなかった。骨密度はL2-4の腰椎で治療群において有意な変化率の上昇が認められたが、大腿骨近位部と頸部では有意な変化率の上昇は認められなかった。新規骨折は両群とも生じなかった。顎骨壊死を含む重大な有害事象を認めなかった。考察1)両群において新規骨折は認めなかったが1年間の治療結果であり今後さらに経過を見ていく必要がある。2) TRACP-5bとP1NPの変化率において治療群と非治療群で有意な差が認められなかったのは、2回目のデノスマブ投与後1週間以内の値でありデノスマブの効果が反映されにくかったと思われた。3)腰椎(L2-4)では骨密度の変化率で有意な上昇を認めたのは海綿骨である腰椎の方が皮質骨である大腿骨に比し骨代謝回転が早く1年間での治療効果が得やすかったからと思われた。申告すべきCOIはない。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.44.2_349_2 |