P-2-C05 アラインメント悪化要因の改善と動きの学習および補装具併用で側弯の進行は抑制できる
はじめに重症心身障害児(者)の療育において側弯対策は最重要課題の一つである。セラピーでは、拘縮筋の粘弾性や皮膚・皮下組織の伸展性の回復、体幹部骨格や筋のアライメンント修正と関節可動域の維持、コアコントロール筋群の賦活、望ましい運動パターンの促通が基本と考える。さらに、セラピー効果を日常生活に生かすため、補装具の適正な使用も重要である。側弯の改善や進行抑制が認められたケースを報告する。症例156歳女性、アテトーゼ型脳性麻痺、大島分類8。40歳台後半より側弯の進行・座位の崩れやすさ・頸部痛・嚥下障害・発語困難が目立ってきた。定型的な運動パターンの多用により生じていた上肢帯筋の高度なスパズムの改善や...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2018, Vol.43(2), pp.386-386 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに重症心身障害児(者)の療育において側弯対策は最重要課題の一つである。セラピーでは、拘縮筋の粘弾性や皮膚・皮下組織の伸展性の回復、体幹部骨格や筋のアライメンント修正と関節可動域の維持、コアコントロール筋群の賦活、望ましい運動パターンの促通が基本と考える。さらに、セラピー効果を日常生活に生かすため、補装具の適正な使用も重要である。側弯の改善や進行抑制が認められたケースを報告する。症例156歳女性、アテトーゼ型脳性麻痺、大島分類8。40歳台後半より側弯の進行・座位の崩れやすさ・頸部痛・嚥下障害・発語困難が目立ってきた。定型的な運動パターンの多用により生じていた上肢帯筋の高度なスパズムの改善や、呼吸運動と協調した嚥下・発声のコントロールが必要と考えた。体幹の筋・関節を整え、座位・立位や歩行器歩行での安定した運動コントロールを練習した。また、肩甲帯安定のため、上腕を支える胸受けロールを作製し車椅子上で使用した。その結果、側弯および上記の問題点やコミュニケーション、上肢随意運動が改善された。症例220歳男性、原因不明の脳障害、大島分類2。13歳時膝屈曲拘縮により介助立位が困難となり側弯が進行した。左脊柱起立筋群の高度なスパズムや広背筋短縮による左肩甲骨下制、胸郭の非対称があり、右側腹筋群の緊張低下が顕著であったため、それらを改善し、座位や膝歩きでのコアの賦活や左右対称な荷重と動きの練習、前後傾座位保持装置と体幹装具「プレーリーくん」の作製、ホームプログラム指導などを行った結果、身長のスパートにかかわらず、側弯の進行抑制と安楽な背臥位が獲得された。結語側弯対策においては、筋スパズムやアラインメントの改善を準備した上でのコアコントロールや望ましい運動パターンの賦活と、その効果を日常生活に汎化するための補装具の継続的使用はどちらも欠くことができない重要な要素である。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.43.2_386_1 |