O-2-Z11 重症心身障がい児施設Sにおける音環境の調査

目的重症心身障がい児施設は、医療の場であるとともに生活の場でもあり、生活環境が重要である。その一要因として音環境がある。しかし、障がい児施設における音環境の調査はほとんど行われておらず、その基礎資料として今回音環境を調査した。対象岐阜県内の重症心身障がい児施設で、病室2室、図書遊戯室およびスタッフステーションへの通路の計4か所で音環境を測定し、時間や音の種類ごとに分け比較した。方法サウンドレベルメーター(小野測器社, LA−7200)を用いて1分おきに5日間録音し、騒音レベルに加え、音源の構成を把握した。測定は12、1月に行った。騒音レベルの平均値および標準偏差を、環境基本法で定められている昼...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2018, Vol.43(2), pp.302-302
Hauptverfasser: 長澤, 宏幸, 青木, 哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的重症心身障がい児施設は、医療の場であるとともに生活の場でもあり、生活環境が重要である。その一要因として音環境がある。しかし、障がい児施設における音環境の調査はほとんど行われておらず、その基礎資料として今回音環境を調査した。対象岐阜県内の重症心身障がい児施設で、病室2室、図書遊戯室およびスタッフステーションへの通路の計4か所で音環境を測定し、時間や音の種類ごとに分け比較した。方法サウンドレベルメーター(小野測器社, LA−7200)を用いて1分おきに5日間録音し、騒音レベルに加え、音源の構成を把握した。測定は12、1月に行った。騒音レベルの平均値および標準偏差を、環境基本法で定められている昼間(6時〜22時)と夜間(それ以外)に分けて評価した。結果病室は、昼夜ともに301号室、305号室とも用途別の許容値である45dB(A)を超えていた。305号室では、常に3〜4人の子どもがおり、子どもに対応するスタッフの声や音楽や読み聞かせなどが聞こえ、人工呼吸器やモニターのアラーム音なども発生し、昼間の標準偏差も大きかった。夜間は40dB(A)前後であり、空調の音に加えて、人工呼吸器の作動音などが音源であった。最も小さかった図書遊戯室では、子ども達が集まる時間に音楽の再生や読み聞かせ、合唱が行われており、その時間帯は騒音レベルが高かったが、それ以外では基本的に静かな時間が多かった。夜間も40dB(A)以下で、病室に比べて低く医療機器がなかったことが影響したと考えられる。音源別では、機械音、人の活動音、子ども向けや季節を意識した音楽、施設外からは救急車サイレンが多く、窓も閉鎖されていたためか季節を感じ取れる音はほとんどなかった。結論これまで障がい児施設における音環境の調査はほとんど行われておらず、データの蓄積による音環境のあり方の検討が必要である。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.43.2_302_2