O-1-H03 全盲・四肢麻痺など多重障害者の意思疎通法の獲得: 多職種連携における看護師の役割
目的A氏、30歳代男性。落雷後遺症により全盲、四肢麻痺となり、日常生活は全介助である。認知機能に問題はなく、コミュニケーションは、「あ」という発声のみ可能である。そのため、介助者が五十音を読み上げ、「あ」と発声した文字を特定し、文章にして表現している。しかし、熟練した介助者でなければ時間を要し会話が困難である。今回、誰もが意思疎通が可能となる視覚障害者のための意思伝達装置(以下、レッツ・チャット)を使用し多職種で連携しながらA氏の意思の表出をめざした。本研究の目的は、A氏の経過から多職種連携における看護師の役割を明確にすることである。方法2017年4月1日〜2017年10月31日まで、看護目標...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2018, Vol.43(2), pp.270-270 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的A氏、30歳代男性。落雷後遺症により全盲、四肢麻痺となり、日常生活は全介助である。認知機能に問題はなく、コミュニケーションは、「あ」という発声のみ可能である。そのため、介助者が五十音を読み上げ、「あ」と発声した文字を特定し、文章にして表現している。しかし、熟練した介助者でなければ時間を要し会話が困難である。今回、誰もが意思疎通が可能となる視覚障害者のための意思伝達装置(以下、レッツ・チャット)を使用し多職種で連携しながらA氏の意思の表出をめざした。本研究の目的は、A氏の経過から多職種連携における看護師の役割を明確にすることである。方法2017年4月1日〜2017年10月31日まで、看護目標として呼気によるレッツ・チャットの操作のため1.健康状態の維持2.操作時空気漏れ阻止のための気切孔閉鎖による呼吸管理3.精神的安定について支援し記録した。定期的に多職種間でカンファレンスを持ち、情報共有と支援の評価を行った。成果健康状態の維持では、誤嚥防止、呼吸器感染症の予防ができた。装置の操作時の気切孔閉鎖は、呼吸状態の低下もなく維持できた。しかし、長時間のテープ貼用による皮膚トラブルがあり貼用が困難となった。操作時の制限が多く意欲の起伏がみられたが、傾聴することや多職種と連携し支援することで意欲を保つことができた。結論1.レッツ・チャット操作獲得に向けて、感染を予防し健康状態を維持することができた。2.気切孔閉鎖時の皮膚トラブルのため、テープの種類と別のスイッチの検討が必要であった。3.精神的支援は、A氏の思いを傾聴し多職種間で共通の認識を持って関わることで、意欲の維持が出来た。多職種連携における看護師の役割は、看護目標の遂行とともに、A氏の理解者となり、A氏の思いや体調の変化を多職種へ伝達・共有していくことである。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.43.2_270_2 |