P-2-G28 家族が行う“うたうタッチケア”の効果: レット症候群の学童に対する試み
目的 重症心身障害児(者)に対する音楽またはタッチケアのQOL向上への効果の先行研究は多数見られるが、うたとタッチケアを融合した遊びの効果を検証した研究はほとんどない。本研究の目的は、家族が行ううたうタッチケアの効果を唾液アミラーゼ値およびビデオ撮影による心身の変化の面から明らかにすることである。 方法 2016年8月〜10月、特別養護学校に通学している7歳レット症候群の女児と母親を対象に、週1回家庭訪問をし、タッチケアのみとうたうタッチケアを交互に5回ずつ、約20分間母親が実践し、前後で母親の唾液アミラーゼ値(ニプロ唾液アミラーゼモニター)を測定した。その間ビデオ撮影をし、児と親の表情・体の...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2017, Vol.42(2), pp.309-309 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 重症心身障害児(者)に対する音楽またはタッチケアのQOL向上への効果の先行研究は多数見られるが、うたとタッチケアを融合した遊びの効果を検証した研究はほとんどない。本研究の目的は、家族が行ううたうタッチケアの効果を唾液アミラーゼ値およびビデオ撮影による心身の変化の面から明らかにすることである。 方法 2016年8月〜10月、特別養護学校に通学している7歳レット症候群の女児と母親を対象に、週1回家庭訪問をし、タッチケアのみとうたうタッチケアを交互に5回ずつ、約20分間母親が実践し、前後で母親の唾液アミラーゼ値(ニプロ唾液アミラーゼモニター)を測定した。その間ビデオ撮影をし、児と親の表情・体の動き・児の発声状況を観察した。うたは童謡・唱歌4曲を選択した。倫理的配慮は、所属大学倫理審査委員会の承認を得、対象者には文書で説明し、同意を得た。 結果 タッチケアのみとうたうタッチケア共に、前半4回は母親のアミラーゼ値に増加傾向が見られたが、後半6回はタッチケアのみでは2回減少、1回増加、うたうタッチケアでは、3回とも減少した。児の反応としては、前半、タッチケアのみでは発声とともに緊張が強かったが、うたうタッチケアでは、母と見つめあい、手をたたきながら体を揺らしリズムをとっていた。後半は、タッチケアのみでも発声はあるが、緊張が減少した。うたうタッチケアでは、母と見つめ合い、手拍子を打つ、体を揺らしリズムを取ると同時に、発声と笑い声があり笑顔も見られた。 考察 うたうタッチケアは、タッチケアのみよりストレスを減少させたと考えられる。実施者・対象者共に手技・うたうことに慣れることで、心に余裕が生まれさらなる相互関係の信頼構築につながったと考えられる。本研究は母子を対象としたが、今後は家族のみならず児に関わるすべての職種が実践することで、重症心身障害児(者)のQOL向上につながることを期待したい。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.42.2_309 |