P-1-G26 関節周囲筋解離術後の身体変化に対して、母親と共に移乗方法を再検討し、在宅復帰した超重症児の一例
はじめに 在宅復帰を目指す重症心身障害児にとって移乗動作は大きな障害となる。今回、下肢に対する手術後に身体状態が変化した児に対して、母親と共に移乗方法の見直しを行った取り組みについて報告する。 症例紹介 5歳男児。低酸素性虚血性脳症。横地分類A1-C。単純気管切開(夜間人工呼吸器装着)、胃瘻からの経管栄養。生後半年頃より触覚過敏に伴う過緊張で両下肢が逆V字を呈し、ポジショニングや移乗等の介助に工夫が必要であった。ボツリヌス毒素療法を2年間継続後、バクロフェン持続髄注療法開始し、その10カ月後にA病院にて股・足関節周囲筋解離術を実施した。術後のアライメントの変化と骨折併発により、移乗やポジショニ...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2017, Vol.42(2), pp.267-267 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに 在宅復帰を目指す重症心身障害児にとって移乗動作は大きな障害となる。今回、下肢に対する手術後に身体状態が変化した児に対して、母親と共に移乗方法の見直しを行った取り組みについて報告する。 症例紹介 5歳男児。低酸素性虚血性脳症。横地分類A1-C。単純気管切開(夜間人工呼吸器装着)、胃瘻からの経管栄養。生後半年頃より触覚過敏に伴う過緊張で両下肢が逆V字を呈し、ポジショニングや移乗等の介助に工夫が必要であった。ボツリヌス毒素療法を2年間継続後、バクロフェン持続髄注療法開始し、その10カ月後にA病院にて股・足関節周囲筋解離術を実施した。術後のアライメントの変化と骨折併発により、移乗やポジショニング等の見直しが必要になり、入園による介入を行った。その結果、自宅でも母1人で安全に移乗動作を行えるようになった。 介入経過 1期(転院前):A病院に出向き、情報収集と移乗手段検討。2期(入園):母、病棟看護師とシーネ固定状態およびシーネ除去後のポジショニング、入浴方法とそれに伴う移乗の検討(3人介助)。3期:母を交えて訪問看護事業所との実技を通した意見交換実施(2人介助での浴槽移乗、ポジショニング)。4期:母および父1人介助での車椅子移乗、抱っこ、ポジショニングの検討。下肢固定のための膝ベルトを母が作製。5期(退園後):自宅訪問。 考察 安全に、安心して日常生活が送れることを目標に、母を主体として在宅復帰を目指した。それにあたり1)児の身体状態の変化に合わせた移乗とポジショニング 2)関わる人たちに合わせた介助方法 3)病院と自宅の環境面の変化の3点からの検討を行った。また、必須だったのは、家族や訪問事業所不在時に、母1人での介助が以前のようにできることであった。母のニーズに沿う形で移乗方法を適宜検討したこと、母が作製した膝ベルトを上手く利用したことで、在宅復帰への準備がスムーズに行えたと考える。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.42.2_267_1 |