P-1-E17 脳波結果を取り入れたてんかん治療経過図の作成

はじめに 当院の入院患者は、年1回以上の脳波検査を受けている。検査結果は、日本てんかん学会専門医師(以下、専門医)が判読した。今回は市販表計算ソフトを使って脳波結果のデーターベースを作成し、さらに図式化した頭皮マッピングを作成したので紹介する。また当院薬剤科は、各患者の抗てんかん薬の種類、服薬量とその薬物血中濃度測定結果に毎月の発作回数を棒グラフにして表した治療経過図を作成し、主治医に資料として提出した。この治療経過図にマッピングした脳波結果を載せ、てんかん治療の薬物適正使用に有用であるかを検討したので報告する。 対象と方法 当院を2016年7月〜2017年5月の11カ月間に入院中の40名の患...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2017, Vol.42(2), pp.236-236
Hauptverfasser: 相田, 文彦, 久保田, 雅紀, 渡辺, 美夏, 石島, 亜純, 久保田, 文雄, 田中, 宏子, 竹内, 東光, 町田, 裕一, 森川, 昭廣, 野田, 真一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに 当院の入院患者は、年1回以上の脳波検査を受けている。検査結果は、日本てんかん学会専門医師(以下、専門医)が判読した。今回は市販表計算ソフトを使って脳波結果のデーターベースを作成し、さらに図式化した頭皮マッピングを作成したので紹介する。また当院薬剤科は、各患者の抗てんかん薬の種類、服薬量とその薬物血中濃度測定結果に毎月の発作回数を棒グラフにして表した治療経過図を作成し、主治医に資料として提出した。この治療経過図にマッピングした脳波結果を載せ、てんかん治療の薬物適正使用に有用であるかを検討したので報告する。 対象と方法 当院を2016年7月〜2017年5月の11カ月間に入院中の40名の患者さんを対象とした。対象者40名で脳波上に突発波が認められ、過去の臨床発作より専門医によっててんかんと診断されたのは33名だった。専門医が判読した脳波結果は、市販ソフトエクセルを使ってデーターベースを作成し、頭皮マッピングした。その図は、抗てんかん薬の治療経過図に貼り付けた。薬物適正使用は、抗てんかん薬の変更が行われた患者の変更前後の発作回数をカルテから調べて評価した。 結果・考察 今回の調査でてんかんと診断された33名で抗てんかん薬の調整が行われたのは13名だった。脳波記録は、専門医でなければ判読が難しい。今回、抗てんかん薬の治療経過図に脳波結果を加えたことで、コメディカル職員にもてんかん治療が分かりやすくなったと考えられた。この結果、専門医以外でも抗てんかん薬の効果の判定や処方の判断資料として成り得ると考えられた。この治療経過図は、抗てんかん薬の適正使用に有用と考えられた。 結語 てんかん治療は長期におよび、抗てんかん薬の多剤投与も行われる。今回、脳波結果を取り入れた治療経過図により、てんかん治療の適正化が容易に図られるものと考えられる。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.42.2_236_2