O-1-C05 重症心身障がい児のいのちを育む子育ち支援1: ふれあい体操と静的弛緩誘導法を活用して

はじめに  筆者は、養護学校義務制により障がいの重い子どもたちの通学が始まった年に教員となり、34年間その教育に専念してきた。子どもたちや保護者の方から教えていただきながら、仲間とともに教育、子育ての理論と方法を模索し実践してきた。その経験をもとに重症児デイサービス「ひろがり」を開所し5年目を迎えた。重症心身障がい児(以下、重症児)のいのちを育む支援として実践している子どもの心と身体感覚に音楽とともに働きかけるふれあい体操や教育的な係わり方としての静的弛緩誘導法を活用した子育ち支援を事例報告し考察する。 重症児の見方と育て方 常時医療的ケアを必要とする子どもたち、医療的ケアは要しないが、呼吸や...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2017, Vol.42(2), pp.175-175
Hauptverfasser: 丹羽, 陽一, 石黒, 光, 橋本, 広季
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに  筆者は、養護学校義務制により障がいの重い子どもたちの通学が始まった年に教員となり、34年間その教育に専念してきた。子どもたちや保護者の方から教えていただきながら、仲間とともに教育、子育ての理論と方法を模索し実践してきた。その経験をもとに重症児デイサービス「ひろがり」を開所し5年目を迎えた。重症心身障がい児(以下、重症児)のいのちを育む支援として実践している子どもの心と身体感覚に音楽とともに働きかけるふれあい体操や教育的な係わり方としての静的弛緩誘導法を活用した子育ち支援を事例報告し考察する。 重症児の見方と育て方 常時医療的ケアを必要とする子どもたち、医療的ケアは要しないが、呼吸や嚥下に難しさを有する重症児たちが増えている。このような子どもたちのいのちを支える医療の役目はきわめて重要であり、在宅医療支援体制の整備が急務である。ただ、低年齢の重症児の保護者が「ひろがり」へ来て訴えるのは、「どう関わったらいいのでしょうか」「遊び方がわからない」「どう育てたらいいのでしょう」という子育ての不安や悩みでした。医療的な見方が優先し、母や父としての関わり方がわからないまま過ぎている場合が多く見受けられる。 どんなに障がいが重くても、その障がいばかりに目を向けるのではなく、一人の人として育んでいくことが大切であり、呼吸も嚥下も適切な子育ち支援があれば、育つ部分があると思います。障がいの重い子どもをどう認識し、どう取り組んでいくといのちを本当の意味で育んでいくことになるか。また、父母が子育ての喜びを味わいながら成長を促していける方法はどのようなものか試行錯誤している。 Aさんの事例から 心身のリラックスを図り呼吸や嚥下の力を育てていくための子育ち支援により、胃瘻を薦められていた子が嚥下が力強くなり、食べることを楽しむができるようになり、胃瘻をしなくてもよくなった事例を報告し考察する。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.42.2_175_2