重症心身障害児(者)の栄養学的評価と小児用経腸栄養剤の有用性の検討

「要約」重症心身障害児(者)(以下, 重症児者)の栄養管理の向上を目的に, 重症児者の栄養学的評価と小児用栄養製剤の安全性と有用性を検討した. 経管栄養中の18歳未満の重症児者18名を対象とした. 経腸栄養剤をアイソカル ジュニア(R)へ置換し, 置換前および6カ月後に血液検査を行った. 置換後6カ月からアイソカル ジュニア(R)をカルニチン添加製剤(アイソカル 1.0ジュニア(R))へ変更し, 1カ月後に血中遊離カルニチン値を測定した. 置換前に基準値外の患者が多かった項目は, 遊離カルニチン, 亜鉛, 銅であった. アイソカル ジュニア(R)へ置換後, BUNは有意に低下した. アイソカル...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2016-12, Vol.41 (3), p.371-377
Hauptverfasser: 本林光雄, 稲葉雄二, 八木芳雄, 金子和可子, 小林桂子, 関ひろみ, 遠山真智子, 木口サチ, 石田修一, 花村真由
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」重症心身障害児(者)(以下, 重症児者)の栄養管理の向上を目的に, 重症児者の栄養学的評価と小児用栄養製剤の安全性と有用性を検討した. 経管栄養中の18歳未満の重症児者18名を対象とした. 経腸栄養剤をアイソカル ジュニア(R)へ置換し, 置換前および6カ月後に血液検査を行った. 置換後6カ月からアイソカル ジュニア(R)をカルニチン添加製剤(アイソカル 1.0ジュニア(R))へ変更し, 1カ月後に血中遊離カルニチン値を測定した. 置換前に基準値外の患者が多かった項目は, 遊離カルニチン, 亜鉛, 銅であった. アイソカル ジュニア(R)へ置換後, BUNは有意に低下した. アイソカル 1.0ジュニア(R)へ置換後, 遊離カルニチン値は有意に上昇した. 置換に伴う有害事象は認めなかった. 重症児者における微量栄養素の欠乏状況が明らかになった. アイソカル ジュニア(R)により窒素負荷が軽減される可能性が示唆された. アイソカル 1.0ジュニア(R)はカルニチンの補充に有用であった.
ISSN:1343-1439