P-2-F20 医療的ケア児を対象にした療育お薬手帳の作成: 在宅での適正な薬剤管理のために

はじめに東京都では重症心身障害児(者)(以下、重症児)を含む医療的ケア児(以下、医ケア児)の多くは在宅で生活し、地域薬局から調剤を受けている。当施設でも、多くの医ケア児が外来を利用し、また、重症児の短期入所時にお薬手帳(以下、手帳)等を用いて薬剤管理指導時に持参薬確認を実施しているが、これらの業務を通し、かかりつけ地域薬局とのさらなる情報共有の必要性を痛感している。手帳はかかりつけ薬局との情報共有にも有効なツールであるが、一般に使用されている汎用の手帳では、医ケア児の調剤には情報量が少ない。そのため、保護者からの口述情報で補完されているが、曖昧になりがちであり、また、個々の保護者の影響も大きい...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2016, Vol.41(2), pp.313-313
Hauptverfasser: 倉本, 敦夫, 塩地, 園代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに東京都では重症心身障害児(者)(以下、重症児)を含む医療的ケア児(以下、医ケア児)の多くは在宅で生活し、地域薬局から調剤を受けている。当施設でも、多くの医ケア児が外来を利用し、また、重症児の短期入所時にお薬手帳(以下、手帳)等を用いて薬剤管理指導時に持参薬確認を実施しているが、これらの業務を通し、かかりつけ地域薬局とのさらなる情報共有の必要性を痛感している。手帳はかかりつけ薬局との情報共有にも有効なツールであるが、一般に使用されている汎用の手帳では、医ケア児の調剤には情報量が少ない。そのため、保護者からの口述情報で補完されているが、曖昧になりがちであり、また、個々の保護者の影響も大きい。そこで、調剤に必要な情報を確実に共有するため、医ケア児を対象とした「療育お薬手帳」を作成したので報告する。目的手帳の活用により、医ケア児の在宅での、薬の与薬管理情報の適正化を図る方法市販ならびに利用者持参の手帳の項目を調査し、入所時に持参薬剤の評価に実際に情報収集した項目、薬剤師より指導・助言を行った項目について比較し、優先度が高い項目を精査して、手帳を作成した。結果経腸栄養等の項目、調剤項目、薬学的サービスの要求ならびに経腸投与の状況等の情報の必要性が高かったことから、これらの項目を追加した。考察医ケア児の情報、たとえば経管の有無や径の情報等は調剤上−味を考慮し顆粒にするか、錠剤を粉砕するか、細すぎて多剤への変更が必要であるか等−きわめて重要な情報ではあるが、地域薬局によっては現在のところ余りなじみがなく、使い慣れない項目もあり、調剤を受ける薬局が適切に活用できるかがポイントとなる。今回の手帳作成を機に、療育施設から地域薬局へ、HPや薬薬連携等を通して医ケア児の特徴的な情報を発信し、共有していける仕組みを構築していくことが今後の課題と考えている。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.41.2_313_1