O-2-C03 「訪問看護事業利用者の生活状況に関する調査」から在宅重症心身障害児の看護を考える

はじめに重症度が高く濃厚な医療を要す重症心身障害児(以下、重症児)が在宅へ移行しており、高度な医療への対応や家族支援、地域連携が求められている。西部訪問看護事業部では東京都の委託事業として在宅重症心身障害児(者)訪問事業を多摩地区170人(平成27年度実績)に実施した。そこで、訪問看護師に調査を行い看護目標の達成度と困難感を分析し在宅重症児看護のあり方を検証した。研究方法重症心身障害児(者)を守る会の倫理委員会承諾の基、平成27年3月訪問看護師31名に調査の趣旨と匿名性、任意であることを口頭で説明し同意を得て自記式質問調査票を配布。結果調査票の回収率は90%。看護師の年齢は40歳代、50歳代を...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2016, Vol.41(2), pp.285-285
Hauptverfasser: 高橋, 由起子, 打林, 友子, 鈴木, 絵美, 長田, 安子, 井上, 智子, 小形, 優子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに重症度が高く濃厚な医療を要す重症心身障害児(以下、重症児)が在宅へ移行しており、高度な医療への対応や家族支援、地域連携が求められている。西部訪問看護事業部では東京都の委託事業として在宅重症心身障害児(者)訪問事業を多摩地区170人(平成27年度実績)に実施した。そこで、訪問看護師に調査を行い看護目標の達成度と困難感を分析し在宅重症児看護のあり方を検証した。研究方法重症心身障害児(者)を守る会の倫理委員会承諾の基、平成27年3月訪問看護師31名に調査の趣旨と匿名性、任意であることを口頭で説明し同意を得て自記式質問調査票を配布。結果調査票の回収率は90%。看護師の年齢は40歳代、50歳代を合わせると74%で、経験年数は4年以下〜20年以上までと幅広い。対象児の年齢は中央値で3歳、6歳以下が全体の81%を占め、超重症児スコアは超・準超重症児が74%であった。看護目標の達成度評価では“充分・少し達成”が「児の医学的管理・急変時対応ができる」94%、「介護者がケア能力の向上を図れる」と「母親の障害受容が進む」が共に90%。未達成では「家族が社会的ネットワークの拡大に参加できる」36%、「家族関係が保たれる」29%、「介護者の介護負担軽減を図れる」が24%であった。看護目標の達成要因として、18項目中16項目で『介護者の理解度』が関与し、「看護師は関係機関のネットワーク作りができる」は『看護師個々の力量』に任されていた。また、社会資源の地域格差も関係していた。訪問看護師が困難と感じることは「家庭内での方針不一致や関係調整」81%、「予後不良ケースへの関わり」70%、「関係機関と情報共有や役割分担」67%であった。まとめ在宅重症児看護には1深い知識と確実なスキル2関係機関との役割・機能を活かしたチームアプローチ3家族自身の歩みを見守り家族の状況に合わせた支援が必要であると考える。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.41.2_285_1