P-1-E26 Sturge-Weber症候群73歳女性の剖検例
はじめにSturge-Weber症候群は脳軟膜血管腫、顔面三叉神経領域のポートワイン母斑(毛細血管奇形)、緑内障を三徴とする神経皮膚症候群で、てんかん、精神運動発達遅滞、運動障害を合併する。精神運動発達遅滞はてんかん発作の重症度、血管腫の範囲に比例する。73歳で死亡したSturge-Weber症候群の女性を経験したので剖検結果を含め報告する。症例家族歴に特記すべきこと。妊娠中、分娩に異常なく、自宅にて出生。生下時から顔面に母斑があったが、発達は正常であった。5〜6歳頃からけいれん発作がみられ、知的・運動発達が退行し、10歳頃から独歩不能となった。20歳頃からけいれん発作が頻発し、歩行不能となり...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2016, Vol.41(2), pp.255-255 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめにSturge-Weber症候群は脳軟膜血管腫、顔面三叉神経領域のポートワイン母斑(毛細血管奇形)、緑内障を三徴とする神経皮膚症候群で、てんかん、精神運動発達遅滞、運動障害を合併する。精神運動発達遅滞はてんかん発作の重症度、血管腫の範囲に比例する。73歳で死亡したSturge-Weber症候群の女性を経験したので剖検結果を含め報告する。症例家族歴に特記すべきこと。妊娠中、分娩に異常なく、自宅にて出生。生下時から顔面に母斑があったが、発達は正常であった。5〜6歳頃からけいれん発作がみられ、知的・運動発達が退行し、10歳頃から独歩不能となった。20歳頃からけいれん発作が頻発し、歩行不能となり、言葉も少なく母斑も目立つようになった。22歳頃から血管腫による右眼裂の狭小化が見られた。27歳で当センターに入所。入所後フェニトイン内服を開始し、けいれん発作が減少、表情が明るくなり、良く笑い、手を動かすようになった。その後も血管腫による下口唇肥大は増加した。52歳から高コレステロール血症が出現。尿路感染や骨折を繰り返したが、本人の状態や血管腫にあまり変化はなかった。73歳、非けいれん性てんかん重積に肺炎とDICを併発した。感染、DICは改善傾向を示したが突然SpO2が低下し、治療に反応なく死亡した。剖検結果脳重量830g。右大脳萎縮、前頭極を除く大脳背側の脳軟膜・硬膜の血管腫と隣接する大脳皮質表層の粗鬆化・石灰化、右側頭極の新鮮な硬膜下出血が認められた。また、前頭葉・側頭葉白質、両側海馬終板、右扁桃体・視床、小脳歯状核門と下オリーブ核の線維性グリオーシス、小脳皮質の神経細胞脱落も認められた。結語73歳でDICに伴う硬膜下出血のため死亡した。高齢であり、合併症も多かったが、Sturge-Weber症候群に特徴的な脳病理結果であった。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.41.2_255_1 |