P-2-C08 脳性麻痺で重症心身障害である児者におけるレボメプロマジンの使用経験
はじめに脳性麻痺児者において、筋緊張亢進、興奮、不眠はQOLを悪化させるだけでなく、呼吸障害や胃食道逆流症を誘発、悪化させ、症状の悪循環を来しやすい。対応として、原因の検討と環境調整では改善が得られず薬物治療が必要となることが多いが、フェノバルビタール、抗痙縮薬、抗不安薬、睡眠薬等の多剤併用によっても効果が不充分であったり、呼吸機能・嚥下機能に影響する副作用が生ずることが少なくない。このような状態に対して、比較的少量の非定型抗精神病薬リスペリドンが有効〜著効でありうる(第57回日本小児神経学会、古山)が、最終選択薬として定型抗精神病薬であるレボメプロマジン(ヒルナミン®、レボトミン®)が有効で...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2015, Vol.40(2), pp.296-296 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに脳性麻痺児者において、筋緊張亢進、興奮、不眠はQOLを悪化させるだけでなく、呼吸障害や胃食道逆流症を誘発、悪化させ、症状の悪循環を来しやすい。対応として、原因の検討と環境調整では改善が得られず薬物治療が必要となることが多いが、フェノバルビタール、抗痙縮薬、抗不安薬、睡眠薬等の多剤併用によっても効果が不充分であったり、呼吸機能・嚥下機能に影響する副作用が生ずることが少なくない。このような状態に対して、比較的少量の非定型抗精神病薬リスペリドンが有効〜著効でありうる(第57回日本小児神経学会、古山)が、最終選択薬として定型抗精神病薬であるレボメプロマジン(ヒルナミン®、レボトミン®)が有効であった例を経験しており、使用する薬剤の選択肢の一つとなり得ると思われ、使用量等を検討した。方法当センターにおいて脳性麻痺で重症心身障害である例で、レボメプロマジンの使用経験のある19例。診療録等において後方視的にレボメプロマジン使用の理由となった症状、使用量、併用薬剤等を調査した。結果使用理由となった症状としてあげられていたのは筋緊張亢進、興奮、不眠であった。年齢は7歳から63歳で、使用方法は、基本は、1日1回ないし頓用で使用。使用量は2.5mgから20mgで、ほぼ10mgまでであった。これは添付文書に記載されている使用量よりかなり少ない量である。眠気や筋緊張の低下が目立ち、中止したり、調整したりした例もみられた。また併用薬剤としては、抗けいれん薬やリスペリドン、メラトニンが多く、複数の薬剤を併用している例がほとんどであった。結論レボメプロマジンは少量においても有効な例があり、脳性麻痺で重症心身障害である児者における筋緊張亢進、興奮、不眠等において、他剤が無効な場合に少量での使用が有用であり得る。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.40.2_296_2 |