P-1-D08 3歳をすぎて食事を開始した精神発達遅滞のあるダウン症児への経口摂取の取り組み

はじめにダウン症の摂食機能として口を閉じないまま、よく噛まずに丸飲みする傾向がある。そこで正しい摂食につなげるためにダウン症児の摂食機能や発達を評価し、患児に合わせた間接訓練・食事形態・摂食方法を習慣づけ、摂食機能の向上につなげたいと考え、本研究に取り組んだ。研究目的ダウン症児に摂食機能訓練を実施し、摂食機能の向上を図る。研究対象4歳女児ダウン症。左眼失明、両耳高度難聴。呼吸苦によるムセや嘔吐で経管栄養。3歳から摂食機能訓練を開始するが拒否やムセにより中断と再開を繰返す。当院に2013年10月転院。方法2014年8月〜10月の毎日、昼食前に5分ほどスキンシップを図り、脱感作・間接訓練・口唇閉鎖...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2015, Vol.40(2), pp.269-269
Hauptverfasser: 持沢, 洋子, 森泉, 奈津江, 依田, 久美子, 新澤, 安江
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめにダウン症の摂食機能として口を閉じないまま、よく噛まずに丸飲みする傾向がある。そこで正しい摂食につなげるためにダウン症児の摂食機能や発達を評価し、患児に合わせた間接訓練・食事形態・摂食方法を習慣づけ、摂食機能の向上につなげたいと考え、本研究に取り組んだ。研究目的ダウン症児に摂食機能訓練を実施し、摂食機能の向上を図る。研究対象4歳女児ダウン症。左眼失明、両耳高度難聴。呼吸苦によるムセや嘔吐で経管栄養。3歳から摂食機能訓練を開始するが拒否やムセにより中断と再開を繰返す。当院に2013年10月転院。方法2014年8月〜10月の毎日、昼食前に5分ほどスキンシップを図り、脱感作・間接訓練・口唇閉鎖訓練と口腔ケアを実施する。実施結果を患児の表情や機嫌を含め、口腔摂取機能評価表に記載し評価する。結果摂取機能は、当初上唇は全く動かなかったが、しだいに口唇で挟みとることができるようになった。舌突出も12回から1回に減少し、喉の緊張もしだいに改善してきた。食べ物を口の中に摂り込めるようになったが、呑み込みはまだ上手くできずに食事量の変化はなかった。訓練時に研究者を判別でき、訓練を嫌がることが減った。考察毎日の口唇閉鎖訓練により、口唇で食べ物を挟みとることが習慣化されたと考える。そして、訓練を継続することで吸綴動作が大きく減少し、咀嚼に変化が出たのは原始反射が消失し、摂食動作の発達が促されたものと推察される。今後は嚥下機能が獲得できる訓練が必要である。また、摂食機能訓練はタッチング・抱っこを毎日実施したことで、患児の信頼感・安心感に結びつき、継続することができた。結論1.3カ月の摂食訓練で食べ物の摂り込みと咽頭部の緊張の緩和が図られ、摂食機能発達の第1段階準備期の獲得につながった。2.ダウン症児の特徴から経口移行には時間を要し、継続した支援が必要である。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.40.2_269_2