P-1-D05 13トリソミーの長期生存の一例を通して: 過去5年間の13症例のまとめ
はじめに13トリソミーは予後不良な染色体異常症で、治療介入の有無や合併疾患の重症度からの長期予後に関する報告は少ない。今回13トリソミーの18歳男子の長期経過と当院開院以降5年間で対応した13症例の治療介入の内容・経過について報告する。症例在胎39週2030gで出生。生後啼泣なく高度チアノーゼで入院し酸素投与のみで加療した。心合併奇形なく生後4カ月時に経管栄養で退院した。8歳まで全身チアノーゼを伴う無呼吸発作を頻発したが自然気道で経過した。9歳まで尿路感染症で3回入院した他は14歳まで安定に経過し、最終的につかまり立ち、歩行器での歩行、経口摂取、喃語・意思表示まで発達した。16歳時に膵管合流異...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2015, Vol.40(2), pp.268-268 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに13トリソミーは予後不良な染色体異常症で、治療介入の有無や合併疾患の重症度からの長期予後に関する報告は少ない。今回13トリソミーの18歳男子の長期経過と当院開院以降5年間で対応した13症例の治療介入の内容・経過について報告する。症例在胎39週2030gで出生。生後啼泣なく高度チアノーゼで入院し酸素投与のみで加療した。心合併奇形なく生後4カ月時に経管栄養で退院した。8歳まで全身チアノーゼを伴う無呼吸発作を頻発したが自然気道で経過した。9歳まで尿路感染症で3回入院した他は14歳まで安定に経過し、最終的につかまり立ち、歩行器での歩行、経口摂取、喃語・意思表示まで発達した。16歳時に膵管合流異常からの重症急性膵炎・腹膜炎を発症し膵尾部切除術と術後膵液漏に対し脾摘術を行い長期入院した。重症腸管機能不全となり緩和的な在宅中心静脈栄養を導入し退院後、原因不明の上部消化管出血で亡くなった。考察13症例中、6例は存命で生後11カ月から21歳と長期生存である。一方、7例は死亡しており本症例を除く6例で主な死因は心不全であった。全例で呼吸への治療介入を要したが、挿管例でも抜管可能な例もあった。外科的治療介入は、心臓血管外科ではBTシャント造設術と動脈管結紮の2例。消化器外科による開腹手術は7例で、5例は腸回転異常の根治術、1例は胃瘻造設術、1例は膵尾部切除術や脾摘術であった。紹介症例は重篤な心疾患なく外科的呼吸介入を要さなかったことで他症例と異なる。発達も比較的良好であったが、晩年は膵管合流異常からの膵炎管理で長期入院を繰り返した。比較的予後良好な群でも消化器合併疾患の管理が重要と考える。また当院の症例は比較的長期生存が多い。これは家族の希望により13トリソミーの特性を考慮し医学的に妥当な範囲ならば積極的に消化器外科的な治療介入を行っていることも一因と考えた。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.40.2_268_1 |