P-1-C12 電子カルテを使った抗てんかん薬の薬剤管理指導
はじめに当院薬剤科では、処方箋等を記録し治療経過図を作成してきた。経過図は、患者さんが過去に服用した抗てんかん薬の用量と血中濃度、月ごとの発作回数を一覧できる図として作成し、担当医師等にその情報を提供し薬剤管理や疾患治療の参考として用いてきた。当院では、電子カルテが導入されて4年が経過した。従来経過図作成は、紙カルテと同じ方法でおこなってきた。今回、電子カルテの特性を生かし発作回数だけでなく発生時刻も検討した。その結果、発作発生時刻がグラフ化でき、これらの資料が抗てんかん薬の薬剤管理指導に用いられるか検討を試みた。対象と方法対象者は、当院入院中の抗けいれん坐薬を頻回に処方された60歳代の患者さ...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2015, Vol.40(2), pp.262-262 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに当院薬剤科では、処方箋等を記録し治療経過図を作成してきた。経過図は、患者さんが過去に服用した抗てんかん薬の用量と血中濃度、月ごとの発作回数を一覧できる図として作成し、担当医師等にその情報を提供し薬剤管理や疾患治療の参考として用いてきた。当院では、電子カルテが導入されて4年が経過した。従来経過図作成は、紙カルテと同じ方法でおこなってきた。今回、電子カルテの特性を生かし発作回数だけでなく発生時刻も検討した。その結果、発作発生時刻がグラフ化でき、これらの資料が抗てんかん薬の薬剤管理指導に用いられるか検討を試みた。対象と方法対象者は、当院入院中の抗けいれん坐薬を頻回に処方された60歳代の患者さんとした。患者さんの電子カルテから坐薬の使用回数、けいれん発作回数と時刻を調べ、回数と時刻をグラフ化した。抗てんかん薬の血中濃度解析は、日本TDM学会のフリーソフト「TDM−Cal」を用いた。結果・考察患者さんの坐薬の使用回数、けいれん発作回数と時刻のグラフ化で、てんかん発作発生の時刻に特徴があることが分かった。発作時の抗てんかん薬の血中濃度を調べ、TDM−Calを使って解析し、日中体内動態をグラフで示した。そのグラフから、抗てんかん薬の血中濃度が有効範囲より低い時間帯があることが予測された。すなわち解析グラフと発作時刻を比較し、血中濃度が有効域より低い時間帯に発作が起こると考えられた。その結果を主治医に報告し、抗てんかん薬の調整を提案した。提案後、主治医による処方変更が行われ、重積発作が減少し、抗けいれん坐薬の使用回数を減らすことができた。結論電子カルテからけいれん発作の時間的状況を細かく調べた。血中濃度から抗てんかん薬の日中濃度解析をおこないグラフ化し、抗てんかん薬と発作の関係が予測できた。主治医や職員へ抗てんかん薬の薬剤管理指導にきめ細やかな情報収集ができる電子カルテは、有用と考えられた。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.40.2_262_1 |