重症心身障害児 (者) における上部消化管出血の臨床的検討
「要約」重症心身障害児(者)を対象に, 細径経鼻内視鏡検査を行い, 上部消化管出血を来した群と対照群について, 臨床背景, 内視鏡所見, 対策, 転帰に関して検討した. 年齢は9歳~64歳(平均33.9歳)で, 脳性麻痺が35例, その他の神経筋疾患が16例であった. 出血群は20例, 非出血群は31例で, 平均年齢は30.8歳と35.9歳, 男女比は1:1と1:1.58, 胃酸分泌抑制剤の服薬率は25.0%と41.9%, 食道裂孔ヘルニアの合併率は40.0%と16.1%, 胃炎の合併率は45.0%と35.5%であり, 統計上2群間に有意差はなかった. 逆流性食道炎の合併率は, 55.0%と3...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2014-12, Vol.39 (3), p.421-426 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要約」重症心身障害児(者)を対象に, 細径経鼻内視鏡検査を行い, 上部消化管出血を来した群と対照群について, 臨床背景, 内視鏡所見, 対策, 転帰に関して検討した. 年齢は9歳~64歳(平均33.9歳)で, 脳性麻痺が35例, その他の神経筋疾患が16例であった. 出血群は20例, 非出血群は31例で, 平均年齢は30.8歳と35.9歳, 男女比は1:1と1:1.58, 胃酸分泌抑制剤の服薬率は25.0%と41.9%, 食道裂孔ヘルニアの合併率は40.0%と16.1%, 胃炎の合併率は45.0%と35.5%であり, 統計上2群間に有意差はなかった. 逆流性食道炎の合併率は, 55.0%と3.2%で出血群に有意に多く認められた. 重症心身障害児(者)では, 胃潰瘍や十二指腸潰瘍にみられるような新鮮血の大量吐血よりも, コーヒー残渣様嘔吐や胃内容の吸引といった軽微な消化管出血の合併の方が多く, その主因は逆流性食道炎によることが判明した. |
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ISSN: | 1343-1439 |