重症心身障害児 (者) 施設におけるヒトメタニューモウイルスの集団感染と重症例の発生

「要約」2013年6月から7月にかけて, 当センターの重症心身障害児(者)病棟30名中13名が発熱, 咳嗽, 鼻汁や痰の増加を主症状とする呼吸器症状を呈し, うち6名に喘鳴がみられ2名が死亡した. ペア血清を採取できた9名でヒトメタニューモウイルス抗体価の有意な上昇を認め, 同ウイルスによるアウトブレイクと判断された. 発症者13名の急性期抗体価は1 : 200から1600であり, 既感染者でも再感染し, ときに重症化することが示唆された. 本事例により, ヒトメタニューモウイルス感染では重症心身障害児(者)のようなハイリスク者は重症化しやすいこと, さらに合併症などで死亡するきっかけになる可...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2014-12, Vol.39 (3), p.379-386
Hauptverfasser: 菱川容子, 橋本真帆, 倉橋宏和, 別府玲子, 大谷可菜子, 西村秀一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」2013年6月から7月にかけて, 当センターの重症心身障害児(者)病棟30名中13名が発熱, 咳嗽, 鼻汁や痰の増加を主症状とする呼吸器症状を呈し, うち6名に喘鳴がみられ2名が死亡した. ペア血清を採取できた9名でヒトメタニューモウイルス抗体価の有意な上昇を認め, 同ウイルスによるアウトブレイクと判断された. 発症者13名の急性期抗体価は1 : 200から1600であり, 既感染者でも再感染し, ときに重症化することが示唆された. 本事例により, ヒトメタニューモウイルス感染では重症心身障害児(者)のようなハイリスク者は重症化しやすいこと, さらに合併症などで死亡するきっかけになる可能性もあることが示され, 本感染症の発生の早期発見と施設内の流行を防ぐための対策の必要性が明らかになった.
ISSN:1343-1439