P-2-F25 重症心身障害児者におけるカルニチン添加流動食投与によるカルニチン値の検討
背景日本人におけるカルニチンの推奨投与量は決まっておらず、経管栄養剤の至適添加量も不確かである。今回、重症心身障害児者(以下、重症児者)にカルニチン添加流動食(レナジーU ® )を使用し、血清遊離カルニチン値の変化を検討した。方法カルニチン未配合の経管栄養剤の使用による二次性低カルニチン血症に対しL−カルニチン製剤が投与され血清遊離カルニチン値が正常(>20μmol/L)となった重症児者10名(5〜29歳)を対象とした。4名がバルプロ酸(VPA)を内服していた。L−カルニチン製剤内服を中止し、3カ月間レナジーU ®を1日1回(カルニチン39mg/300kcal)投与し、投与前後で血清遊離カルニ...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2014, Vol.39(2), pp.329-329 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景日本人におけるカルニチンの推奨投与量は決まっておらず、経管栄養剤の至適添加量も不確かである。今回、重症心身障害児者(以下、重症児者)にカルニチン添加流動食(レナジーU ® )を使用し、血清遊離カルニチン値の変化を検討した。方法カルニチン未配合の経管栄養剤の使用による二次性低カルニチン血症に対しL−カルニチン製剤が投与され血清遊離カルニチン値が正常(>20μmol/L)となった重症児者10名(5〜29歳)を対象とした。4名がバルプロ酸(VPA)を内服していた。L−カルニチン製剤内服を中止し、3カ月間レナジーU ®を1日1回(カルニチン39mg/300kcal)投与し、投与前後で血清遊離カルニチン値の変化を検討した。結果カルニチン摂取量は平均1.95±0.60mg/kg/dであった。投与前の血清遊離カルニチン値39.95±4.02μmol/L、投与後35.66±3.24μmol/Lであった。カルニチン摂取量と血清遊離カルニチン値の変化量に相関は認められなかった。VPA内服群と非内服群において、血清遊離カルニチン値の変化に関して差は認められなかった。考察前回の検討で、二次性低カルニチン血症の重症児者にL−カルニチン製剤2mg/kg/dを3カ月間投与し、血清遊離カルニチン値は有意に上昇した。今回カルニチン添加流動食を使用し、ほぼ同量のカルニチン摂取量となり、血清遊離カルニチン値は正常値を維持することができたが、有意の上昇は認められなかった。血清遊離カルニチン値は、摂取量、生合成量、排泄量、再吸収量や薬剤の使用により個体差があり、経管栄養剤のカルニチンの至適添加量に関して2mg/kg/d以上は必要と考えられるが、さらなる検討が必要である。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.39.2_329_1 |