P-1-G16 当施設における看護師・援助職員の腰痛予防への取り組み: 第2報
目的・方法第一報として、当施設の腰痛の現状と業務の把握を行い、床上からの移乗動作が腰痛に関係する動作であることを報告した。今回、職員の介助技術向上ために、職員の移乗動作をビデオ撮影し、腰痛者と被腰痛者の動作の違いを比較検討した。ビデオ撮影は2人による床からの横抱き移乗動作33回分(腰痛者15名、非腰痛者10名)を職員の矢状面から撮影した。職員と複数の被介護者家族の許可を得てから撮影した。また、分析内容をもとに当施設で、腰痛予防の伝達講習会とDVD作成を行い、技術向上による腰痛のリスク軽減を図った。結果・考察腰痛者の動作には、腰痛になりやすい3つの特徴的な動作の傾向があった。1つ目は、被介護者と...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2014, Vol.39(2), pp.314-314 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的・方法第一報として、当施設の腰痛の現状と業務の把握を行い、床上からの移乗動作が腰痛に関係する動作であることを報告した。今回、職員の介助技術向上ために、職員の移乗動作をビデオ撮影し、腰痛者と被腰痛者の動作の違いを比較検討した。ビデオ撮影は2人による床からの横抱き移乗動作33回分(腰痛者15名、非腰痛者10名)を職員の矢状面から撮影した。職員と複数の被介護者家族の許可を得てから撮影した。また、分析内容をもとに当施設で、腰痛予防の伝達講習会とDVD作成を行い、技術向上による腰痛のリスク軽減を図った。結果・考察腰痛者の動作には、腰痛になりやすい3つの特徴的な動作の傾向があった。1つ目は、被介護者と職員との距離が遠く、床から抱えたあと重心を後方へ移すために、頭部を伸展させて少し勢いをつける動作であった。2つ目は、立ち上がり時に、先に両膝を伸展させ、両足立ちになりその後、引き上げるように持ち上げていた。この動作は下肢筋力の弱い女性が行う傾向にあった。3つ目に、被介護者を抱えている腕と体幹の角度がずれて立ち上がっていた。これには2通りあり、腕力のある男性に多くみられた腕をすくい上げるように持ち上げる方法、または腕力の少ない女性に見られた腕が体幹の角度よりも遅れて持ち上げる方法であった。上記3つの動作は、被腰痛者の動作には観察されなかった。その後に当施設での伝達講習を行った結果、長期入所者にも協力を得て、実際に移乗動作を行って、職員同士がお互いに評価して、腰痛リスクのある動作が起きているかどうかを確認できるようにした。また、何度も使用できる効果的な伝達学習のツールであるDVD教材を作成したことで、今後の新人職員の腰痛予防教育において継続的に利用可能であり、施設全体の腰痛保持率の減少を図ることができると考えている。今後、再度アンケートを実施し経時的に腰痛保持者の変化をとらえていきたい。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.39.2_314_1 |