P-1-F12 理学療法士と看護師協働による呼吸機能改善の試み: 病棟ホームプログラムのすすめ

はじめに変形・拘縮に起因する呼吸障害対応で理学療法士(以下、PT)の関わる頻度が少ない場合セラピー効果は継続しにくい。入所者担当看護師(以下、NS)との協働による相乗効果を期待し、「安全・シンプル・効果的」な手技をNSに提案した。呼吸機能低下症例への協働アプローチについて報告する。症例脳性麻痺、53歳女性、大島分類1、喉頭気管分離術後、2012年肺炎罹患後排痰困難、2013年カフアシスト開始。S字側湾、下肢は右へのwind swept変形、肩挙上位、肩甲骨外転制限(左>右)、背部軟部組織硬く胸郭可動性低下、腰背部筋緊張亢進(左>右)、左側臥位保持困難。方法左背部への軟部組織マッサージ指導後、定...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2014, Vol.39(2), pp.300-300
Hauptverfasser: 杉浦, 眞紀, 佐々木, 理佳子, 大越, 優美, 長澤, 哲郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに変形・拘縮に起因する呼吸障害対応で理学療法士(以下、PT)の関わる頻度が少ない場合セラピー効果は継続しにくい。入所者担当看護師(以下、NS)との協働による相乗効果を期待し、「安全・シンプル・効果的」な手技をNSに提案した。呼吸機能低下症例への協働アプローチについて報告する。症例脳性麻痺、53歳女性、大島分類1、喉頭気管分離術後、2012年肺炎罹患後排痰困難、2013年カフアシスト開始。S字側湾、下肢は右へのwind swept変形、肩挙上位、肩甲骨外転制限(左>右)、背部軟部組織硬く胸郭可動性低下、腰背部筋緊張亢進(左>右)、左側臥位保持困難。方法左背部への軟部組織マッサージ指導後、定期的に手技の確認、効果の評価をNSにフィードバックした。さらにNS本人へのケアを指導した。8週間でPTとNSの治療は3回と14回。協働アプローチ前後でPT評価、ハロースケール換気量測定、背臥位接触面の観察(透明アクリルボード上での背面撮影)を行った。結果左肩甲骨外転制限と左肩内転制限、胸郭・腰椎の可動性、背部軟部組織の硬さに改善があり、左側臥位保持が可能になった。背面接触面が増加し、分時換気量が増加した。考察左側臥位保持困難は、左肩甲骨外転制限による肩の圧迫で痛みや循環障害がおこり、さらに軟部組織の柔軟性低下による皮膚・固有感覚入力減少が支持基底面の安定化を阻害しているためと思われた。胸郭可動性低下は腰背部筋群の緊張亢進による不動で筋自体の拘縮や椎間・肋椎・胸肋関節の機能不全がおこるためと思われた。PT治療結果からNSへの指導手技は軟部組織マッサージが適切と思われた。NSマッサージによる背部筋群の緊張緩和・循環の改善でPTの関節・軟部組織へのアプローチがより有効となり呼吸機能改善につながったことが示唆された。結語PTからNSへの適切な手技指導は呼吸機能改善に有効な協働治療につながった。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.39.2_300_2